携帯版 |
![]() |
![]() |
|
フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/02/12 12:01, 提供元: フィスコ 城南進研 Research Memo(1):「りんご塾」の法人契約が好調、2026年3月期より再成長を目指す*12:01JST 城南進研 Research Memo(1):「りんご塾」の法人契約が好調、2026年3月期より再成長を目指す■要約 城南進学研究社<4720>は東京・神奈川を地盤とする総合教育ソリューション企業である。大学受験の「城南予備校」から出発し、社会環境の変化に対応して小中学生や乳幼児向けへとサービス領域を拡大してきた。子会社では、保育園や学童保育、スイミングスクールの運営、社会人向け英語教育サービスなども展開している。一生を通じた一人ひとりの主体的な学びを支援し、たくましい知性としなやかな感性を育む能力開発のLeading Companyを目指している。 1. 2025年3月期中間期の業績概要 2025年3月期中間期(2024年4月-9月)の連結業績は、売上高で前年同期比4.0%減の2,946百万円、営業利益で同47.3%減の41百万円と減収減益となった。「りんご塾※」の法人展開が好調に推移したものの、大学入試の環境変化によって高校生の生徒数が減少した影響で個別指導部門や映像授業部門が減収となったほか、デジタル教材・ソリューション部門も「デキタス」の契約が満了した顧客もあり、減収となった。利益面では、人件費や広告宣伝費、地代家賃など固定費の削減や経費の抑制に取り組んだものの減収に伴う利益減をカバーできず減益となった。ただ、会社計画(売上高2,982百万円、営業利益44百万円)に対しては、おおむね計画の範囲内で着地した。 ※ (株)りんご塾が運営する算数オリンピック対策に特化した算数専門教室。算数オリンピックとは、小学生以下の子どもを対象とするコンテストで、1992年より毎年開催されており、「日本数学オリンピック」参加選手の登竜門ともなっている、算数を共通語に思考力と独創性を競う大会。同社は2018年4月にりんご塾とFC契約を締結した後に、2023年6月にサブライセンス契約を締結し、FC加盟企業の獲得並びに研修サービスを開始している。 2. 2025年3月期業績見通し 2025年3月期の連結業績は、売上高で前期比2.0%増の5,969百万円、営業利益で同25.6%減の22百万円と期初計画を据え置いた。売上高は各部門とも前期比横ばいまたは若干の増収を目指す計画であったが、下期も高校生対象の教育サービスの低迷が続く見通しで、個別指導部門は減収となる可能性が高い。一方、映像授業部門は2024年8月に新規開校した新松戸校で順調に生徒を獲得しており、下期は挽回できる見通しだ。児童教育部門では、「りんご塾」の法人契約が好調で、教室数が現在の約270教室から2025年3月期中に500教室を超える勢いとなっており、レベニューシェアの増加が見込まれる。また、2〜3年前から取り組んできた「くぼたのうけん小学校受験コース」を名門小学校受験教室「飛翔会」としてリニューアルし、2024年11月より本格スタートしており今後の成長が期待される。利益面では、パソコンの全面入れ替えなどIT投資で下期に130百万円の一時的費用を計上するため減益となるが、同要因を除けば実質増益となる見通しだ。 3. 中期経営計画の進捗状況 2024年3月期からスタートした3ヶ年の中期経営計画では、「学びの個別最適化と教室力の強化」「付加価値の高い幼少教育事業の新展開」「教育格差を是正する教育ソリューション事業の積極的展開」「攻めの収益構造改革」「理念経営を具現化する人財の育成」の5項目を基本戦略として取り組んでおり、最終年度となる2026年3月期に売上高6,208百万円、営業利益率10%の達成を目指す。「りんご塾」や「デキタス」などのソリューション事業(法人向け)が順調に拡大し、個別指導部門の減少傾向に歯止めが掛かれば、営業利益率は目標に近いところまで上昇する可能性があると弊社では見ている。ソリューション事業における潜在市場は大きいだけに、今後の動向が注目される。 ■Key Points ・「りんご塾」の法人契約が好調、個別指導部門は小学生の増加基調続く ・2025年3月期業績は増収減益見通しだが、IT投資費用を除けば実質増益見込み ・ソリューション事業が順調に拡大すれば業績は2026年3月期以降、再成長期入りする見通し ・2025年3月期は財務状況を鑑み無配とするが早期復配を目指す意向、株主優待は1年以上継続保有の単元株主を対象にQUOカードを贈呈 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》 記事一覧 |