大学を卒業し証券会社に入社して以来、株式投資本やノウハウ本を私は大量に読み続けています。IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)として独立して金融関係の出版物の書き手となった今でも職業柄、私の周りは経済や投資関係の本で溢れています。そういった本の中でも昔からそして現在でも何度でも読み返し、いつも新鮮な気持ちになれるのがこの『三猿金泉秘録』(喜多村政一著)です。
この三猿金泉秘録は江戸時代の1755年に伊勢の牛田権三郎が書いたものを著者がわかり易く解説しています。相場の世界では『本間宗久相場三昧伝』とともに2大古典の一つとしてあまりにも有名です。
有史以来人間は何度も同じ失敗を繰り返す生き物です。古くはNTTの公募人気しかり最近ではネットバブル時のネット関連株の値動きを思い出してください。熱情の時間の最中にいる時こそ、先人の知恵を思い出すべきでしょう。この「三猿金泉秘録」に書かれている珠玉の文言を集約すると「相場に向かう時は常に冷静であれ」という事に尽きます。相場とは人生の縮図でもありますので、「人生を冷静に」歩んでいく為の道標として是非とも手元に置いておきたい本だと思います。
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