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本書は言わずと知れた、翻訳相場書の定番の一つである。
訳書が出たのは96年であるが、私は出るのを待ちかねて、茅場町の千代田書店に何度も電話をかけて店頭に並ぶと早速購入して読んだものだ。当時はこれだけしっかりした相場書はただでさえ少なかったし、統計的なアプローチでトレードを行うための本格的な指南書は、本書が初めてではなかったかと思う。
原書が書かれたのが1988年で少し古いが、それでも貴重なアイデアや考え方が多く掲載されており、もしいわゆるシステムトレードを志す者なら、本書は今もって読まずにはすまされないはずである。それはつまり、トレードで儲けるための必須の概念というのはかなりの程度の普遍性を持つということであろう。
本書に書かれているシステムトレードのアイデアをすべて自分で検証してみるの も良いが、ラリー・ウィリアムズ自身が、すでにこれらのテクニックを使ってはいな いということもあって、その部分は流し読みするだけでも良いと思う。それよりも本 書で重要なのは、こういった徹底的に統計的、解析的なアプローチでトレードし、長 年にわたって多くの利益をあげることができるという事実を認識することではないか と思う。真摯に読みこめば、ラリーが歩んだ道を自分もまたぜひ歩んでみたいと思う こと、請合いである。
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