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聞き慣れない独特の用語や言い回しが多い書籍で、全体を通して耳障りがよい読み やすい書籍とは言いかねる。
が、指摘されている内容はかなり興味深いものがあり、とりわけ、あちこちで耳に する多くの「大もうけした」話のうさんくささとその意味のなさを理解するためには 有用な書籍であると言える。
本書の内容について著者が主張したかったことのすべてを理解するのは難しい。 が、いくつかの点については素直に理解することができた。
本書の中で私自身が特に納得したのは、以下のような点であった。
書名の「まぐれ」であるが、私自身、主として株式投資の経験の中でいくつかの 「まぐれ」「幸運」「たまたま」に恵まれてきた。実は個々の運用能力よりも、こう した「まぐれ」に当たるかどうかが投資の成績の上では相当に大きな位置を占めるの ではないかと常々感じてきた。
例えば、以前にIPOの公募株を最低単位で取得し、これを初値で売却しただけで 500万以上の利益を確定したことがあるのだが、これなど「まぐれ」以外の何者で もない。が、この「まぐれ」に至るには、それを実現するための前提条件の部分で自 分自身が判断を下している部分はあるため、これを単なる「まぐれ」とはとらえたく ないという心理がはたらきがちになることも否定はできない。
実はこうした「まぐれ」のおかげで、私自身は気楽に運用を続けることができてい るわけである。
実際の日々の運用や売買の中では、私自身は大きな利益が出た時は「まぐれ」、逆 に大きな損失が出た時は「もっとうまく対処できたのに」と考えることが多い。株式 投資を始めたごく最初の頃に「俺って結構うまいんと違うか〜」と思ったことはある が、最近はそういうことはなくなった。
本書の中でふれられている内容ではないが、確実に言えることは、株式投資をはじ めとした投資、あるいは金融商品の売買を行うのであれば、コストを意識し、それを 安くするように心がけることは、少し考えれば誰でもできるし、それは運用成績に確 実に効果があるということだ。
(ふしみん 40代 公務員)
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