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本書は言わずと知れた、翻訳相場書の定番の一つである。
訳書が出たのは93年であるが、私は購入するとノートを取りながら、一生懸命に読んだことを覚えている。当時は株の売買に関する本は、ほとんどがなんだか信憑性が怪しいものばかりだったし、ちゃんとしたアメリカの相場書が出たのを知って、とても興奮したものだ。
本書の原書が書かれたのはとても古く、当然著者も故人である。しかし、WDギャンがアメリカの相場界に与えた影響はとても大きく、もしいわゆるギャン理論に基づくトレードを志す者なら、本書は今もって読まずにはすまされないはずである。 それはつまり、ギャンが編み出した理論が極めて普遍性の高いものであると言うことと共に、トレードで儲けるための必須の概念というのは時間を超えて機能するということであろう。
私は個人的にはギャン理論を使っているわけではないので、本書に書かれているト レードのアイデアが現在の日本の市場において有効であるかどうかはわからない。し かし、本書からヒントを得たことはたくさんあったし、なにより伝説の相場師である ギャンの著書を読むのはとても楽しいことであった。伝聞で他人が書いたものとは 違って、自分で書いたものは、文章の端々にギャンの人柄をうかがわせるものがある からである。高い本だが、読んで損はないと思う。
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