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「入門の入門」なのかどうか疑問
マンガという体裁をとっており、書名も「入門の入門」とあることから、基本的にはこれから株式投資を行おうとする人、あるいは初心者を対象 とした著作だと思われる。
序盤はまさにこれに沿った内容でありもわかりやすい。ところが中盤以降になると「入門の入門」とは言い難い中味になってくる。
たまたま?著者はいわゆるITバブル後のソフトバンク株で利益が出て、また、信用取引もうまく活用できているのかもしれないが、この中味は 「入門の入門」とは言いかねる。 ましてや、特定のソフトを利用して、そこから自動売買を行うことは、それなりの経験を経た後でないと、実際に活用するのは困難さが伴うと思 われる。さらに寄り付き直後のデイトレなどは利益が挙げられる可能性はあろうが、経験がかなりものをいうところであり、マンガにあるように簡単 にいく、都合のよいケースばかりではない。
著者自身の経験を語るのは、それはそれで悪くはないのだが、入門書的体裁を取りながら、信用売買やデイトレ等について、そのリスクの説明が十分にないままに、語ることは適切であるとは思われない(これは同じ著者の別の書籍でも同様に感じられた点である)。
マンガそのものはソフトな雰囲気もあって悪くない。また、家庭の主婦でも株式投資で利益を挙げられることを実例として示すのもよい。 しかし全般に、かなり多様で難しさもある内容を単純化、一般化して示しすぎており、本書の性格や主たる読者対象を考えた時には、記述にはかなり工夫の余地があると言わざるを得ない。
(ふしみん 40代 公務員)
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