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2009年10月に翻訳出版されてから8年近くの年月が経っています。これまで手元にあるデータを使って本書で解説されているEV(エフェクティブボリューム)を検証したが、本書で解説されているような結果にたどり着きませんでした。しかし、ウィラン氏が本書で主張するインパクトのある取引については、それが誰によって行われているのか知る重要性を理解しています。
COTレポート分析を世に公表したラリー・ウィリアムズ氏からそれを学びました。私はEVに強くとらわれてしまい、AB(アクティブバウンダリー)と組み合わせなかった点が大きな反省点です。
また、ウィラン氏が運営しているウェブサイトは本書で公開した内容の改訂版が常に公表されています。出来高と市場参加者層の違いに興味のあるトレーダーにオススメの一冊です。
ウィラン氏が運営しているウェブサイトは英語のみで、一部、有料となっています。無料で公開している内容は十分、本書をフォローしているので、ご興味のある方は、一度、確認してください。
とても斬新で独創的な発想にもとづいた指標の解説本である。
具体的には大口トレーダーの動きを推定して、その動きを利用して利益を上げようとする独自のEV(エフェクティブボリューム)指標とAB(アクティブバウンダリー)指標についての計算方法の解説、その活用方法についての詳細が解説されている。
これまでも大口のトレーダーや投資家の動向を注視してその方向に逆らわないようにトレードするということが有効であるということはラリーウィリアムズがその著書、ラリー・ウィリアムズの「インサイダー情報」で儲ける方法で解説している。ただ、ラリーの投資法を実践するためにはCFTC(米商品先物取引委員会)が発行しているCOTレポートを参照する必要があった。ただ日本ではこのようなレポート自体が存在しないため、ラリー・ウィリアムズの「インサイダー情報」で有効とされている投資法については日本国内ではこれまで実行不可能であった。
ところがこの「EVトレーダー」では入手可能な時系列データに基づき独自にこれをEVとして算出しているため、日本株はもちろん4本値と出来高のデータさえ入手できればこれを計算して利用することが可能である。これにより大口の動向を推定することができ、著者はこの指標を活用することで日々実際に利益を上げているという。
著者の、この時系列データを使用することで大口の動向の推計を行うという発想はとても独創的である。そして計算式自体はシンプルな考え方によっているので理解するのはこれといった難しいところはないので、この指標は是非利用してみたいという気にさせられる。
ただし難点がある。それは計算式自体は単純であるのだが、1分足データを使用するため、データの収集とその計算をするのが大変労力と時間がかかるということである。このことについては著者もその大変さを認めている。例えば300銘柄のシグナルを自動的に計算するとデュアルプロセッサ3.2GHZのパソコンで6時間かかるらしい。
この本に記載されている手法を日常的に使用するというのはこれまでにない強力な武器になるかもしれないが、継続的にデータを取得して計算していかないといけないため、日常的に例えば日本株の全銘柄を対象にして利用するのは簡単ではないだろう。
個人的にはある程度ファンダメンタルズの良好な数銘柄に絞ってデータを取得して買いタイミングや利食いタイミングを計るのに利用するというアプローチがよいのではないかと思う。
ゆうたろう(30代・主に株のトレーダー)
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