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フィボナッチトレーディング 時間と価格を味方につける方法

本書の特徴は、フィボナッチ比率を時間に取り入れているところだろう。これまで、フィボナッチ比率をプライスに用いることで、レジスタンスとサポートを割出すケースが殆どだった。しかし、ボロディン女史は、時間と価格と言う2つの観点からマーケットを分析している。古くは、WDギャン氏によって提唱された価格と時間の重要性。フィボナッチ比率を活用することで市場予測をしている翻訳書は少ない。本書に限らず、サイクル分析では、フィボナッチ比率を応用するケースが頻繁に見られているが、これを、どの時間帯にもあてはめて、多くの例題を取り上げている書籍は少ない。テクニカル、ファンダメンタル、そして、メカニカルトレーダーにとって新たな時間軸分析の世界!

記:なりた・ひろゆき


フィボナッチクイーンと呼ばれている、キャロリン・ボロディンの著書。 全体を読んでみての感想は、フィボナッチをこれから使ってみよう、と思う人にとってはまさ入門書とも言える内容だ。 しかし、単なる入門書に終始するのではなく、一歩進んだ考え方、テクニックにも触れていて興味深い。 本書では、フィボナッチの仕組み、歴史はさわりだけで、簡単な説明のみで、主に実践的な内容に終始している。

本書のカテゴリーは主に二つに分かれている。

前半は、価格に対してのフィボナッチの使い方。
後半は、時間に対してのフィボナッチの使い方。

まず、前半の価格に対するフィボナッチの使い方。
一ページに一つの割合で、チャート付の説明があり、とても判りやすい。
間違ったフィボナッチの使い方などの実例もあげ、初心者が陥りやすい間違いも正しつつ、徐々にステップアップしていく内容になっている。 基本であるリトレースメントから、プロジェクション、エクステンションと価格に対する割合と、その重複するポイントの使い方は非常に参考になる。

後半の、時間に対するフィボナッチも興味深い。 サイクルをフィボナッチで予測する、といったものなのだが、こちらも不思議と転換点と重複することがある。 そして、価格と時間、両方の重複するポイントであれば、なおさら強力な注目ポイントとなるだろう。 この時間に対する、フィボナッチサイクルの考え方も、ページを割いて判りやすく紹介されている。

フィボナッチ数は美の数値と呼ばれている。 フィボナッチが、これほどチャートと関連があるのは、ぱっとチャートを見て美しい形だ、と皆が思う比率が、フィボナッチなのかもしれない、と思わずにはいられない。

フィボナッチって使ってみたいけど、どこからどの点を取れば良いんだろう?どうやって使えば良いのだろう?と悩んでいる人にとっては、うってつけの入門書だ。

ペンネーム 30代 falco


エリオット波動と併せて使うならかなり有益だと思います。 ただし、検証作業が、手作業になるため、本に書いてある通り技術ではなく芸術になってきます。

読み始めて随分丁寧で読み易く書かれているという印象でしたが、著者が女性なので合点がいきました。

本書はフィボナッチの紹介、フィボナッチ比率を使った価格の分析方法と時間分析、その2つを併せたもの、そして具体的なセットアップから構成されている。

比率を使った価格の分析方法についてはお馴染みなのが多いのですが、価格のプロジェクション、価格のクラスター、シンメトリーなど聞いたこともないものも紹介されています。

時間分析はフィボナッチタイムゾーンなどのフィボナッチナンバーなどを使った分析方法ではなく、フィボナッチ比率で時間分析する手法をツールで行っているのには驚きましたが、時間(横軸)にも支持線・抵抗線があるという発想は目新しいものでした。

早速、ニンジャトレーダーを使って確認してみましたが、価格の比率分析は探せば、いくつも適合するところを簡単に見つけ出すことができました。 フィボナッチ・タイム・エクステンションズ(フィボナッチ比率による時間分析)は、やはり、どの高値・安値を使うのかによって結果が違ってきますし、数日やってみただけなのであまりツールの使いこなしもできていませんし、分析自体にコツがいりそうな感じがしました。

紹介されているセットアップは、フィボナッチ分析と併用し、移動平均やCCIを使ったものなどが紹介されており、あまり馴染みがないテクニカルを使ったセットアップも紹介されています。興味深いオシレーターも紹介されていたので組み込まれているツールを現在調べている途中です。

フィボナッチを使用される方やこれから使ってみようと思う方には、たんに価格のリトレイスメントだけでなくその応用や時間への応用なども書かれているので非常にお勧めですし、エリオット波動などと併用すればさらに有効度も増すと思います。

30代 会社員 投資歴6年


フィボナッチ比率を株価や時間軸に使い、株価の天底を当てようというのが本書の試みであるが、その的中率は必ずしも高いとは言えないな…と言うのが当初の感想であった。

押し目を計る方法一つとっても、0.236、0.382…と使う比率は多く、どこの安値・高値を使うのか、複数使うのか一か所でいいのか、時間軸ではどうかと、選択肢は無数にあり、複雑にすることで後から見れば当たっていたね…というあんばいである。

さように未来を予測するという観点からは、すぐれているとは言えない手法であるが、 すでに持ってしまっているポジションに対して、損切りや利食い位置を決めきれないような場合においては使えるのではないだろうか?

ほとんどの投資家は、感情の赴くままに売買をし、結果として損を重ねていくものだが それを防ぐには、反対売買をする明確な基準が必要になってくる。 そのための一つの方法としてフィボナッチ比率はすぐれていると感じた。

20代 ひろ


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