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「マーケットの魔術師」のシリーズは(多分)全部読んでいると思うが、その中でも本書はかなりよい。
勿論、様々な方法、スタンスで傑出したパフォーマンスをあげている「魔術師」の方々は素晴らしいのだが、 それを際立たせているのがインタビューアーのシュワッガー。
彼自陣、実際に相場の世界に携わっており、知識が豊富なだけではなく、鋭いツッコミで、インタビューの内容をより深いものにしている。 単なる「ヨイショ」上手のインタビューアーではないところがよい。
本書に登場する「魔術師」の手法をそのまま真似することは難しい。そもそも、本書はそのための解説本ではない。真似したつもりになって実行してみたら大怪我をするような手法の「魔術師」もいたりする。
が、本の最後の方でシュワッガーがまとめているアドバイスは個人投資家にとって有益なものが多いだろう。
人の真似をしてもダメで、自分に合った方法を確立していくことが重要とする指摘は確かにそうだと共感した。
本書で登場するのはヘッジファンドを運用しているような人が多い。中には運用資産が多くなりすぎることを嫌って、 ファンドを閉じた経験のある人も登場したりするが、極めて大きな額の資産を高いパフォーマンスで運用しつづけることは相当に困難であることが強く感じられる。
個人投資家の場合は、そのような制約はあまりない場合が多い、なにより、損しようが儲けようが自分の好きにやれるという 点が有利である。情報やシステムの面で個人の不利さが強調されることがあり、そうしたことは一面では真実なのだろうが、逆に個人であるが故の有利さ、自由さというのもある。巨大戦艦の操船とモーターボートの操作とは、荒海に無謀に船を出さない など共通する点はあるものの、自ずから違いがある。
本書を読みながら、あらためて、そこんなことを感じた。良書である。
ふしみん 50代 個人投資家
マーケットの魔術師シリーズのシュワッガーインタビューは、 私の宝物です。
トップトレーダーの失敗や、最初からトップトレーダーではなかった、 というみんなが聞きたい所を聞いてくれるシュワッガー氏に感謝と、 そして、そのトップトレーダーと会える!という 彼の存在自体が憧れでした。
そして、今回シュワッガー氏のインタビューで再び、 マーケットの魔術師が出るではないですか!!!!
これはもう、すぐに飛びつきました!!! しかも、エド・スィコータが前書きを寄せてます。
私は彼の辛辣かつ、本質を突いた言葉の端々が 大好きなのですが、今回もこの本から 学ぶべきポイントを示してくれています。
『謙虚であろう。 流れに乗ろう。 自分にあった方法でやろう。
独自かつ、完璧に表現した存在としても、 彼らを知る事になる』
エド氏は『マーケット魔術師』から出ていますが、 二人はずーーーっと昔、まだ経験の少ないトレーダーだった頃 からの知り合いだったみたいですね。 10年ぶりのマーケットの魔術師の発行で、 彼がまえがきを書かれているのは、感慨深いです。
そして本編ですが、シュワッガー氏のツッコミが 更にパワーアップしています。
そうそう、それが聞きたかったんだよ!
とか
それが言いたかったんだよ!
という読者の視点を汲んだ作り、というか それだけシュワッガー氏が一般トレーダーの 思考バランスをうまーく取っているのかな?
と思いました。
特に、6章のジミー・バロディマスに対するシュワッガーの 言葉です。 トレードの転換点が得意なジミー氏ですが、 その後のトレンドに乗らない、という話を聞いて、
「私が言いたいのは、 もう一つの要素を足せばいいのに」
とズバズバと言ってしまったりします。
全編それぞれ特色のあるトレーダーが揃っていますが、 その中でも、「ディーラーをやっつけろ!」 の著者、エドワード・ソープのインタビューも異彩を放っています。
カジノの話(映画が見たくなります!)がとても面白く、 噂には聞いていたけどトレードとの関連ってあるんだな・・・!と 感じました。
特にこの本を読んだからといって、 トレードのエントリーポイントがわかるわけでも 何でもあありません。
しかし、トレード中の最高峰トレーダーの思考を知る事。
そして、最高峰のトレーダーの思考を知り、自分とトレードに プラスαできたら、そのヒントとなる金言がちりばめられています。
60年後のトレーダーにも読み続けられる本でありたい。
シュワッガーは語っていますが、トレードの本質というのが 今も昔も変わらない以上、ずっと読み継がれていくべき本だと思います。
falco 会社員
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