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本書は、S&P500を構成する銘柄のうち1年で最も優れたパフォーマンスを上げることができそうな株式銘柄を探し出すことに焦点を当てて書かれている。
ベストパフォーマンスを上げることができる銘柄を見つけ出すには、例えば、株式の分析を生業とする証券会社等の株式アナリストの分析、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などの分析結果の有効性は否定しないものの、それらは月並みであり、それらに頼っているようでは決してベストパフォーマンスを上げる銘柄を見つけ出すことはできないだろうというのが筆者の考えである。 筆者の考える最善の方法は、過去にナンバーワンになった銘柄のストーリーを研究し、共通する要素を割り出し、それに当てはまる銘柄を探し出すことである、と説く。
なお、本書の後半にはそのためのヒントを詳しく解説している。インデックス指標への投資のみでは良いパフォーマンスが上がらなくて困っている、または、ベストパフォーマンスを上げられそうな銘柄探しに苦戦している株式投資家には、非常に参考になることが書かれている良書だと思う。
炎のディーラー 投資歴27年
企業が操作できるＥＰＳの数字やアナリストの出す予想は、ナンバーワンの銘柄を探し出すためには あまり役に立たず、独自の視点での銘柄選択が必要との指摘は「なるほど」感があった。
本書ではこれと関わって多くの個別銘柄の事例が紹介されている。但し、そのすべてが米国の株式であるため、 テスラやAmazonなど以外の多くの銘柄については具体的にイメージを持つことが難しかった。
このナンバーワン銘柄を見つける視点として、株価のボラティリティ、アナリスト予想のばらつき、低格付け、時価総額 、変化を求める外部からの圧力、ダイナミックな技術、支配的競合他社などを挙げているのはなかなか興味深かった。
ここで示されているのは現在既に高い評価を得ている銘柄というよりも、これから変化していく、伸びていく、そうした可 能性を探るという意味が強いと感じられる。これらは日本株にあてはめることもできそうだ。 翻訳物の書籍でよくあるが、やはり本書の視点での日本株版が読みたいと感じた。
ふしみん 60代 個人投資家
鳳凰堂のランダムウォーカー
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