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”マーケットプロファイル”は、あの『タートルズの秘密』のなかで短期指標として 内部動向を説明する役立つ道具と紹介されており、トレンド継続か転換かの判断材料 のひとつにもなるとある。また、的確に取り入れられれば「現行」あるいは、「先 行」指標にさえなり得るともされている。ただし、その有効性はユーザーの解釈次第 であり、その情報をどう処理するかが難しいところでもある、と釘を刺してはあった が十分魅力的に思え、本書を手に取るに至った。
期待する有機性の割に、読んでみれば明解でシンプルな手法だ。特にデイトレー ダーの方はこれに近いものを独自に試行錯誤したことがあるのではないだろうか。こ れは元々、シカゴのフロアトレーダーが1日の値動きと市場参加者の状況を分析する ためのものなのだから、デイトレーダーに適しているのは当然だろう。サブタイトル にもあるように、市場心理を読むための裏づけに出来高を用いていること、視覚的に 明確化できることなどはその実用性が大いに期待できる。パターン分析であれ、オシ レーターであれ、出来高が伴わなければダマシに終わる。もちろん絶対などあり得な いが、少数のブレイクより多数のブレイクの方が信頼性が高いというものだ。この点 でも大いに賛同できた。
この手法の性格上、最低限の聞き慣れない用語解説はあるが、それ以外の仕掛けポ イントや損切りポイントのような一般論には触れずに、いくつかのセオリーからその 考え方、捉え方が理解できるよう努められている。この手法の応用範囲の広さから も、変に先入観を持たずにその根本を理解した方がより稼げると実感した。私も、本 書で始めてマーケットプロファイルを知り、理解した。そう言い切れるのも、中には 最後まで解説されない用語があったり、アイデアを臭わすだけのようなところもある が、手取り足取りの解説書で教科書通りのことを覚えるよりも、より自分で考えるこ とが多かったからではないだろうか。早く深く身に付いたような気がする。
ただ、作業的にはパターン分析で、適用させる商品によってもその検証自体容易とは 言えない。30分測が最適とされているのだが、それ以外の時間軸も含め検証できるほ ど長期間のデータ入手先が見当たらないし、検証に至るまでのプログラム作成にも四 苦八苦だ。月々の使用料数万円のソフト提供会社も1案かもしれない。それでも、そ の労力が無駄にはならないと確信できるのは、私だけではないと思う。
大勢を見る場合小さな小波は無視しろというが、どれくらいが小さく、無視すべき かどうか分からなかったのだが、それを判断するための道具がしっかりしていなかっ たのだと気付き、日計りの際にも急激な乱高下に振り回されることが減少し、落ち着 いて見ていられるようになってきた。本書は、肝心なところはそう多くなく、読むの は簡単だ。その後の発展が自分次第という典型だが、試しに読んでみて損は無いし、 数少ないマーケットプロファイル書籍の中では最も使えるものだ。私にとって、ため になったとか知識が付いたという面での実感は無いのだが、稼げるようになるだろう という点に付いては、即戦力として★5つを付けることができる。
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