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鏑木繁氏の相場書は「相場開眼」「先物罫線相場 奥の細道」「相場戒律」、そし
てこの「相場難儀道」と読み進めていったが、不思議なことに、次第に筆者の考えに
反発心を覚えるようになる。
筆者の書と初めて出会った時は、相場を始めてまだ間もない頃だった。その時の感
想は「そんなものなのかなあ」という程度のものだった。自分が駆け出しであったた
めに、全くピンとこなかった。恥ずかしい話だが、「こうすれば必ず儲かる」「絶対
の推奨銘柄」的なケバケバしい本の方に目がいっていた。
何度か失敗を重ね、数多くの書を読み、研究をして末に、再び彼の書と出会う。こ
の時は、膝を叩いて「そうだったのか!」と感心した。相場の本質に対して目が開か
れた思いだった。
だが今は・・・・・・。
筆者は相場を見切っている。相場とは「心の闘い」であり、相場をする者の気持次 第で成功もするし、失敗もする、と述べる。その気持とは「喜・怒・欲・哀・楽」で ある。 具体的な張り方については「損切りは早く、利を伸ばせ」とだけ言う。またそれが できないのは「満玉を張る」からだ、とも言う。とどのつまり相場とは「いかに、し のぐか」に尽きると言い切る。 相場を始めて8年になろうとしている。数知れず失敗を繰り返し、それでもどうに か生き残ってきたのは、筆者の言う通りのことを(不出来ながらもどうにか)実行し てきたからではある。 それを忠実に実行しさえすればよい。頭では理解できる。でもいざその局面になる と実行はなかなか難しい、失敗を繰り返す。心が弱いためだ。結局、精神修行が足り ないわけだが、だからといって滝に打たれれば突然「相場開眼」するわけでもない。 そこでつい八つ当たり気味に、「わかっちゃいるけど出来ないのが相場なんだよ。」 と反発したくなってくるのだ。あまりに痛い急所を突かれると、未熟な人間は逆上す るものである。 つまりこのことは鏑木氏の書がまさに正鵠を射ている証しに他ならない。相場を張 る者として、「焦らず、怒らず、威張らず、腐らず、そして自分に負けず」に進まね ばならない。この書はその道標となるべき心のあり方を描いている。
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