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値動きを基に分析するものが多いテクニカル分析のなかで、この本は、出来高を分析の中心に置いた本です。現在では、ボリュームレシオを筆頭に、出来高の分析手法がそれ程珍しいわけではありませんが、この本の著者は、出来高分析のパイオニアといえるリチャード・アームズ氏で、彼の開発した手法が、詳しく説明されているところが、魅力です。
私自身も、以前よりアームズ氏の“出来高対応チャート”に、非常に興味を持っていました。通常のチャートが、単に、値動きのみを表しているのに対し、“出来高対応チャート”では、一見して、値動き+出来高を判断できる特徴があるからです。
このチャートを利用した分析手法に始まり、市場動向の判断、株の選択・買いのタイミングなど、出来高を基にした投資スタイルが、この本にはちりばめられています。詳細は、読んでからのお楽しみというところですが、全部で17章、それ程、分量が多いとも思えませんので、軽く通読してから、再度、熟読して理解を深めていけば良いと思います。チャートも豊富で、見やすい作りですが、欲を出せば、是非、日本市場や日本市場の銘柄を使ったチャートも掲載されていれば!と思いました。いずれにせよ、出来高分析に興味のある人には、是非、お薦めの本だと思います。
(ロンリートレーダー)
株式投資を勉強した頃、「出来高は株価に先行する」という言葉を聞いた。
初心者であり、まだ何もわからない私は出来高の変化こそ株価の変動の秘密を解く鍵
だたと思った。そして、移動平均線や相対力指数に続いてOBV、ヴォリュ−ムレシオ、OBV変化率などのテクニカル分析を学んだが、当時はバブル経済の真っ最中、出来高と価格の変動が素直に相関していた。そのため、出来高は後追いの指標ぐらいにしか見ていなかった。
そして、時が過ぎ、商品先物業界に身を置くようになり、出来高分析はかつてほど行
わなくなっていた。
商品先物取引はストップ高、ストップ安が頻発する市場だ。その時の出来高は実際よ
りも、見かけ上少なくなるからだ。いつしか出来高分析からは遠ざかっていった。
しかし、最近、いろいろなテクニカル指標をいじくり回すうちに、生のチャ−トを見
てできるだけ素のママで分析することが大切なように思えてきた。価格の動きと出来
高の推移だ。これに移動平均線が加われば、自分としては8割かた十分ではないかと
思えてきたのだ。
ア−ムズの出来高分析も、できるかぎり相場の原型をとどめたままで、調理する手法
といえるだろう。
その意味で、価格と出来高を勘案したボックスチャ−トは画期的といえるだろう。
コンピュ−タ−の発達により、デジタル的な手法が長足の進歩を遂げ、機械的なシグ
ナルによる売買法が主流のようになってきたが、相場とは人間の欲望と期待と不安が
入り交じった、どろどろしたものだ。
機械で割り切って取引できるものではない。その意味で、デジタル的な手法にある程
度通事、それに対立する手法としてアナログ的な考え方、見方に通じた方が、より優
位に立てるのではないかと思う。
その意味で、本書は、デジタル手法のノウハウを教えてくれるものだ。もちろん、こ
れをもとにして自分なりのデジタル的な手法=プログラムを確立することができるだ
ろう。
私としては、第6章、第7章、第8章、第9章、第10章、第12章が参考になっ
た。
著者の価格の動きと出来高の推移を併用した観察にはなるほどと思わせられる。
普段、自分がチャ−トを作成し、観察するときに参考になるだろう。
出来高の変動に隠れている、投資家の感情の変化の渦に目を光らせろ。
自分だけは冷静でいられるために。出来高分析の神髄はそこにあるのだろう。
40代 男性 会社員
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