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【サヤ取りの基本書】
本書は、「改訂 両外しサヤ取り教程」(1984年)の再改訂版として、林投資研究所
会報に連載されたもののバラコピー版である。改訂版から今日的でないものや細かすぎるものを削り、新たに加筆し、章の並びを変えており、ページ数は半減しているものの、理解しやすくなっている。
著者の「アマチュアで成功した人たちをお手本として『基礎の理論』『基礎固めの 練習と順序』『成功への道』を主にしたいのである」という言葉どおりの仕上がりで ある。
【概要】
著者は、まず第1部において、サヤの説明を行い、サヤ取り実践家の話を通じて、
正しい基本に従い努力すること、単純化し反復する重要性を説く。とにかく地道に、
無理せず、「仕事」のようにコツコツやれという。
第2部では、サヤ取りの道具を紹介、特に場帖とブロックは記入例を示している。 また、勉強ノートの重要性を協調している。 続いて、順ザヤと逆ザヤ、サヤの周期、異市場間サヤ取り、異銘柄サヤ取りなどに ついて解説、さらにサヤに慣れること、知識より実行すること、実行すれば意外にや さしいと読者をサヤ取りへと誘う。
第3部 練習と上達では、順ザヤ取りと逆ザヤ取り、分割仕掛け、異銘柄のサヤに ついて解説したのち、基礎の積み重ねの重要さを強調する。
第4部 成功と蓄財では、売買の記帳について述べた後、ヘッジファンドについて 多くのページが割かれている。ここで著者はヘッジファンドに対する誤解やヘッジ ファンドの歴史に言及し、マクロファンドではない本来のヘッジファンドがサヤ取り によってローリスクでハイリターンを実現していることを述べている。
最後に著者は、基礎固めの単純な売買を繰り返すことから始まる「成功のステッ プ」で締めくくる。
【まとめ】
著者は実践を重視する。「いくらで仕掛けて、いくらで手仕舞う」的なことは書かない。
それは知識で得るものではなく、実践で身に付けていくものだからだ。初心者にプロの高度な売買譜を見せても理解できるものではない。相場を張るということは個性的なものだという考えも根底にあるのだろう。実践で経験を積めば、慣れてきて身につく。できなかったことができるようになる。こわくなくなる。自分の成長を自分で認識でき、「質」の違いがわかってくる。
著者は言う。質の違いがわかるとは、「はじめの頃いくら説明を聞いても『そういうものなのか な』と思っていた」ことが、「現実に自分のものになってきたことの驚き、喜びであり、それこそ祝杯をあげたく なるくらいのものなのだ。」と。
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