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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/04/17 11:52,
提供元: フィスコ
クオルテック Research Memo(2):専門家集団と技術者集団による独立系検査会社
*11:52JST クオルテック Research Memo(2):専門家集団と技術者集団による独立系検査会社
■会社概要
1. 会社概要
クオルテック<9165>は自動車部品や電子部品の不良解析・信頼性試験などの受託、レーザ加工・表面処理(めっき)技術を中心とした微細加工などを手掛けている。信頼性評価事業は電子部品などに対する環境試験、電気試験、振動試験などからなる信頼性評価試験、良品・不良品解析、試験素材切断と切断面の研磨加工、試験機製造販売などを行う。微細加工事業はビルドアップ基板やフレキシブルプリント基板(薄く柔らかい屈曲可能な基板)などに対する試作・量産レーザ加工を行っているほか、その他事業として遺伝子検査を通じた犬・猫遺伝子疾患の原因遺伝子変異の検出サービス、バイオ医療関連製品の受託検査を行うバイオ事業、各種コンサルティング事業などを手掛けている。これらの事業に加えて研究開発部門を有しており、「パワー半導体とオートモーティブ」をキーワードにしたテーマで研究開発を行っている。物理学、化学、電気工学、生化学など幅広い学術領域をカバーする専門家集団と設計開発、生産技術、品質保証などの技術者集団による独立系検査会社である。
なお、同社は独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)より産業標準化法試験事業者登録制度(JNLA)の下、ISO/IEC 17025※に適合した試験事業所として登録・認定されている。
※ ラボラトリ(試験所・校正機関)認定は、特定の種類の試験及び校正を実施する機関の技術能力を証明する手段の一つ。ラボラトリがISO/IEC 17025の規格に適合し、試験所・校正機関としての技術能力を有していることを認定する。
2. 沿革
同社は1993年1月、電子部品に関する技術指導や品質管理のコンサルティングを行う株式会社太洋テクノサービスとして大阪府堺市で設立した。設立当初はゲーム基板(ファミリーコンピューター)の品質改善指導を手掛け、1995年にSEM(電子顕微鏡)を導入して社内で故障解析サービスを開始するなど分析・故障解析分野へ事業を拡大した。2004年に本社を堺市に再移転し社名を現在のクオルテックに変更するとともに、信頼性評価事業を本格化させた。2006年に試験所の国際規格ISO/IEC17025認証を取得し、大手自動車メーカーからの依頼増加の契機となった。2018年のCBC(株)との業務提携、2019年の名古屋品質技術センター設立などで拠点・事業を拡大した。2021年には、世界的検査認証機関であるSGSグループの日本法人SGSジャパン(株)との合弁会社SGSクオルテック(株)を設立し、2023年7月には東証グロース市場への上場を果たした。
■事業概要
信頼性評価事業、微細加工事業、その他事業の3つの柱と研究開発部門で構成
同社の事業は、信頼性評価事業、微細加工事業、その他事業の3つの柱と研究開発部門で構成されており、技術の進展に合わせて事業領域を拡大している。顧客の依頼内容に基づいて、試験や分析を行い、得られたデータや改善提案を顧客に対して提供する。そして製品の軽薄短小化や高い安全性・耐久性を追求するために、数々の試験や分析を実施し、得られた実験データや研究をもとに、新工法や新素材を提案するなど、TQSが顧客の製品に対する品質の困りごとを解決する。
1. 信頼性評価事業
電子部品などに対する環境試験、電気試験、振動試験などからなる信頼性評価試験、良品・不良品解析、試験素材切断と切断面の研磨加工、試験機製造販売などを行っている。単なる分析・故障解析業務にとどまらず、不良の真因を見つけ出すための再現実験を行い、顧客の技術課題を根本から解決できる会社を志向し、関連会社であるSGSクオルテックの営業力と同社の技術力を融合した技術営業体制を構築している。また、分析や信頼性評価試験のみならず、受託試験を通じて蓄積した技術・ノウハウを活かしたパワー半導体の信頼性評価装置の開発・販売にも取り組んでいる。同社では電気自動車の開発・普及が急速に拡大すると予測される以前から、電気自動車の基幹部品であるインバータの中のパワー半導体の信頼性評価試験や故障解析に取り組み、受注してきた。
電子回路、ソフトウェア、水冷機構などの試験環境を自社内で開発できることから、顧客の多種多様なニーズに対応しているほか、信頼性評価試験の前後において、部品や基板の実装部の解析や評価、改善提案までトータルで対応できることで、パワー半導体の信頼性評価試験において強みを有している。信頼性評価試験を実施するだけでなく、国際規格に基づく試験の実施から規格認証の取得まで、トータルに対応できる体制を構築しており、信頼性評価試験の規格を策定する活動(IPC(米国電子回路協会)やJEITA(電子情報技術産業協会))にも参画している。同事業では、顧客より試験や検査、分析、解析、加工、機器販売の役務提供の対価として収益を得ている。
2. 微細加工事業
ビルドアップ基板(層を重ねていくプリント基板)やフレキシブルプリント基板(薄く柔らかい屈曲可能な基板)などに対する試作・量産レーザ加工を行っている。スマートフォンから医療機器まで、あらゆる製品領域において、ジャンルを問わない幅広い対応力で顧客のニーズに対応し、顧客の要望に応えるために必要な設備を揃えることで電子部品業界の技術的なニーズに応える体制を整えてきた。温湿度などの少しの環境変化で加工の仕上がりに影響が出たり、設備ごとの個体差があるなど管理が非常に難しいレーザ加工機を自社で持たずにアウトソーシングする基板メーカーに対して、大ロットの量産加工から新材料のレーザ加工性評価や極短納期の試作品加工まで、多様な依頼に柔軟に対応できることが同社の強みであり、20年以上の長きにわたって事業を継続できている理由である。同事業では、顧客より加工の役務提供の対価として収益を得ている。
3. その他事業
遺伝子検査を通じて、犬・猫遺伝子疾患の原因遺伝子変異の検出サービスや、バイオ医療関連製品(包装材料、シリンジなど)の受託検査を行うバイオ事業、各種コンサルティングのゼロイノベーション事業などを行っている。顧客が開発する製品は、高品質かつ高い信頼性を目指すものであり、その実現に向けて素材などの改善提案をするため、同社は基礎実験や再現実験を繰り返し、ノウハウとデータの蓄積を地道に行っている。同事業では、検査や加工、指導の役務提供の対価として収益を得ている。これらの事業に加えて研究開発部門を有しており、「パワー半導体とオートモーティブ」をキーワードにしたテーマで研究開発を行っている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
《KM》
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