オプション売買の実践 <株式編>
オプション取引で成果を上げるには、先物取引や株式取引などに求められるさまざまな能力は必要ない。
必要なことはオプションという金融商品とオプション市場の特性についてよく理解し、十分な経験を積むことである。
経験を積んで得意とする市場や手法を習得し、さまざまな局面での自分自身を知る。
そのうえでオプション市場の構造を理解して優位性の高い取引手法を身につけてしまえば、あとはそれほどの努力は要らない。
なぜなら自分の取引技術ではなく、オプションのもつ特性が優位性をもたらし、しかるべき利益を運んでくれるのだから。
倶楽部の投資法の根幹は、この「優位性」にある。では、優位性とは何を意味するのか。
オプションにおける優位性とは、単にオプション独特の概念「タイムディケイ」であるとか、リスク限定の戦略であるとか、確率論であるとかそういったものではない。
例えば「オプション売り戦略を実行するとき、IVが高ければ優位であるか」といえば一概にそうとはいえない。
また「一定期間内に原市場の価格がある水準に到達する確率が低いから、売り戦略が優位である」という見方も保証のかぎりではない。「割安なオプションを買えば必ず儲かるか」といえば、これもけっしてそのようなことはないのである。
つまりオプション取引「そのもの」に、けっして優位性があるということではないのだ。もしそうであるなら世界中はオプション長者であふれていることになるはずだ。
では、何が優位性なのか。オプションの優位性は「オプションの価格構造や値付け」に顕著に表れる。当然のことだがオプション取引専門のプロはこの優位性を見逃さない。もちろん倶楽部でも、このような勝率の高い優位性のある取引に着眼する手法を提唱しているのである。
(中略)
現在のオプション市場は、従来ほど楽に儲けさせてくれない市場に変貌している。しかし倶楽部が着目する戦場や戦い方を臨機応変に変えることで、面白いように利益を上げることが可能なのである。この市場の可能性は底なしともいえる。
その可能性を享受するためにも、1日でも早くオプション市場の観察眼を養い、自分のやり方を確立してほしい。
『オプション売買の実践 <株式編>』から一部抜粋
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