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アナリストデータの裏を読め!インターネットで有望株が見つかるミッチ・ザックス/関本博英 パンローリングヤフーファイナンスを見る楽しみが増えた よく株式関連のニュースなどで「○○証券が××のレーティングを引き上げ 目標株価は○○円。これをきっかけに・・・。」といったものがある。 アナリストのレーティングなり目標株価、そのデータはどこまで実際に意味が あるのだろうか。その疑問に答え、かつ、アナリストデータを活用した投資方法 について具体的に解説したのが本書である。 セルサイド(売り手側、証券会社など)アナリストのレポートにはバイアスがかか っており、文字通りに解釈するべきでないことはよく指摘されている。 おかしいと批判するよりも、そのことを理解した上で投資に活用しようとする本書 のスタイルはなかなか興味深い。アナリストの苦悩?、実態について述べられて いる点も面白い。 まず、よくあるレーティングや目標株価といったものは、まったく意味がないと 断じているところが気持ちよい。 では、何が参考になるのか。それは、アナリストの利益予想及びその変化だと いう。アナリストの利益予想が上方修正された銘柄は上昇確率が高い。また、 こうした修正は同じ方向に小出しに繰り返される可能性も高いという指摘は興味 深かった。 同時に、企業の側もさるもので、アナリストの利益予想が低くなるような誘導、そ してそれが上方修正されるような誤魔化しを行っている場合があるという指摘も あった。なんだか、「きつねとたぬきの化かし合い」みたい・・・・・。 基本的な本書の指摘内容は、アナリストの推奨やレーティング、目標株価は有害 無益。着目するのは利益予想とその理由及び利益予想の変化のみ。企業の会 計操作を見抜く目を持ちなさいということ。 主張の意味はよくわかる。しかし、これを実際の投資に生かすのはなかなか難しい だろう。しかし、例えば、ヤフーファイナンスの個別企業のリサーチのところを見る と、本書に紹介されているのと似た予想EPSの変化が示されている。例を挙げれ ばトヨタの予想EPSのコンセンサス推移は一貫して上昇している。ローソンは最近 ちょっと下がった。こうしたことは、銘柄を選択する際の一つの視点としては有効な のだろうと感じた。 各章ごとに簡潔なまとめがあり読みやすい構成になっている。 ただ、いつも思うのだが、米国の書籍の翻訳のため、やや隔靴掻痒の感あり。 この内容を日本で検証した日本版が読んでみたい。 (ふしみん 公務員 40代)
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