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マーケットの魔術師 システムトレーダー編

アート・コリンズ 鈴木敏昭 パンローリング

結局は「人」の側の問題

 マーケットの魔術師シリーズの最新刊だが、インタビューアーはシュワッガーではなく、アート・コリンズ氏。  内容は表題のとおり、優れた運用実績を残しているシステムトレーダー(メカニカルトレーディングを行っているトレーダー)へのインタビュー集である。  全体を通読してみて、それぞれのトレーダーのインタビューに共通する内容があると感じた。

それは

といったことである。

 インタビューでは、個々のトレーダーの具体的なシステムの内容について詳細に説明がされているわけではない。それよりもむしろ、それを実際に使用する「人」、トレーダーの側の考え方や具体的な取り組み方に焦点があてられているという印象が強い。

 つまり、システムはメカニカルなものであっても、まずそのシステムを構築するのは人の発想が根底にあり、同時にそのシステムを運用するのも人であるということである。

 メカニカルトレーディングについてのインタビューでありながら、その内容は、つまるところ、トレーダーの側の事情、スタンス、あり方などについての内容となっている点が面白いところであった。

 書籍としての面白さ、完成度については、「マーケットの魔術師」「マーケットの魔術師 株式編 増補版」の方が上のように感じたが、上記の視点はなかなか興味深いものであった。

(ふしみん・40代・公務員)


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