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株の適正値を知ってあなたは株を買っていますかモーちゃん パンローリング共感度大の常識的バリュー投資法 著者の主張を一言で言えば「まともな会社の株を安い時に買えば、そうそう損をすることはない」ということになる。著者の主張には共感するところが多い。私自身は通常はPER20倍前後を通常の一つの基準として考えている。著者の基準15倍は少々厳しいようにも感じられるが、逆にこの基準であれば安全度、大きな損失を被らない可能性はかなり高まるとは言える。 株価の適正値、言い換えれば理論株価的なものは、様々な計算式があるが、いずれもその計算の前提となる利益の幅が大きく変動するため、それに伴って理論株価も大きく変動する。そのため、実は重要なのは、その前提となる数字の算定根拠や考え方であったりすることが多く、適正値、理論株価そのものはあてになるものではない。 が、通常の尺度から考えて、現在のその銘柄の株価のおよその位置、過熱感があり割高、つまり大きく下落する可能性が大きいのか、あるいは人気離散で割安、下値不安は乏しい水準なのかといった、大まかな株価の位置を判断するには役立つ。 著者がウォッチしている代表的な銘柄が本書の中に示されているが、この中の半分程度は私自身が投資していたり、かつて売買経験があったり、株価をウォッチしたりしている銘柄である。 株式のポートフォリオ運用に当たっては、私自身も著者の主張と共通するような考え方、方針を基本としているが、材料性が高く通常の尺度があてはまらないような銘柄を組み入れたり、時に小さいポジジョンでデイトレードをしたり、IPO銘柄への投資をしたりもしている。 著者は冒頭で、デイトレードについて否定的な見解を述べているが、これはこれで厳格にルールを適用して行えば一つのスタンスではあるだろう。 全体としてわかりやすく、納得もしやすい考え方や方法が示されており、理解もしやすいが、実際のダイナミックな株価の動きを見ていると、常識的な面が強く、やや面白みにかける印象もあった。 ただ、投資とは本質的には「おもしろさ」を求めるものではなく、利益を求めるものであり、本書の考え方は損失を被らない事を基本として考えられているものであるから、これでいけないということではない。 (ふしみん 公務員 40代)
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