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魔術師たちのトレ-ディングモデルリック・ベンシニョール著/長尾慎太郎訳 パンローリング本書はマ-ケットにおけるテクニカル分析を利用して実際に資金を運用している トレ-ダ-達のエッセンスである。 計12人の実践家の手法が紹介されており、当然のことながら、各自が独自の手法を 用いている。 典型的なトレンド分析、独自に開発したオシレ-タ-、異市場間の相関関係、サイク ル分析 バ-チャ-トとロウソク足の組み合わせ、マ-ケット・プロファイル、移動平均線と ポイント&フィギュア、逆バリ、マ-ケット心理を利用するものなど、当然のことな がら決して一様ではない。 このことは、テクニカル分析といえども、その人に合った手法を各自が開発すべきで 、他人の手法を真似ても、その人に合わなければうまくいかないということだろう。 なお、この他にも、ボラティリティを利用したオプション市場でのトレ-ドや資金管 理について述べている箇所もあり、本書は編集上の工夫がなされている。 しかし、内容はある程度の基礎知識を基にして書かれているので、初心者にはややと っつきにくいのではないか。 一方、ある程度トレ-ドを経験し、自分なりの手法を研究・開発しようと試みている 者には、多くのヒントを与えてくれるだろう。 読者は、そのヒントをもとに、自分なりの手法を構築すべく、さらに研鑽していけば いいのだ。 相場というものは、それに対峙する者にとって様々な面を見せる。また、トレ-ダ- の熟練度に応じてもしかりである。 そのため、本書を読んで、どのトレ-ダ-の手法に感応するかは、普段、読者がマ- ケットをどう見ているか、もしくはどういう手法でトレ-ドしているか、また読者の 熟練度によっても違ってくるだろう。 私自身でいえば、トレンドフォロ-、カウンタ-トレ-ドについては自信の経験を含 めて、ある程度納得していたので、自分の良く知らない手法に惹かれた。 「第7章 株価変動の予測に関するサイクルの活用法」 「第8章 エリオット波動理論の利用法」がそれにあたる。 また、「第10章 市場心理によってテクニカル分析を強化する方法」は、普段、自 分が考えていることが具現化された形で知らしめてもらえた。 本書は、ウィザ-ド達の手法のエッセンスとされているが、紹介されているのは彼ら が使っている数ある手法のうちの一つであろう。 本書の中に登場する、リンダ・ラシュキ、ジョン・マ-フィ-、ラリ-・ウィリアム ズの3氏については、 日本でも著作が翻訳されて出版されており、それぞれの手法をさらに研究できる。 第6章のトム・デマ-ク氏が開発した「TD REI」や同氏が紹介している「TD デマ-カ-Ⅰ、Ⅱ」は どう算出するのかわかりづらかった。 付録として、具体的な計算例を載せていただけるとありがたかった。 これを基にして、さらに研究を深めたい読者のために、参考図書を紹介しておいてく れるとありがたいと思う。 また、トム・デマ-ク氏、ピ-タ-・エリアデス氏、スティ-ブン・ポ-ザ-氏、バ -ニ-・シェファ-氏については パンロ-リング社の方で、がんばって彼らの代表著書を翻訳出版してください。
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