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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/01/31 11:03, 提供元: フィスコ フィード・ワン Research Memo(3):主力の畜産飼料事業では、原料調達・製造・開発・営業で強みを構築(1)*11:03JST フィード・ワン Research Memo(3):主力の畜産飼料事業では、原料調達・製造・開発・営業で強みを構築(1)■フィード・ワン<2060>の事業概要 同社の事業セグメントは、畜産飼料事業、水産飼料事業、食品事業の3つであり、セグメント別の事業内容と強みは以下のとおり。 1. 畜産飼料事業 畜産飼料事業では、配合飼料の原料調達から製造・販売までのプロセスをほぼ一貫して手掛けており、各プロセスにおいて強みを有する。 (1) プロセスと強み (a) 原料調達 【強み1:三井物産グループとしての世界的調達ネットワーク】 同社の売上高に占める原価の比率は約9割に上る。畜産飼料における原材料の約半分はとうもろこしが占め、その他穀物・大豆油かすが続く。とうもろこしは主産地が米国やブラジルであり、相場の変動はもちろん、為替や海上運賃の影響を大きく受ける。調達においては三井物産グループであることで適切なタイミングや価格で十分な量が確保できるというメリットがある。ちなみに、2025年3月期中間期は、シカゴ相場が軟調に推移し、円高が進行したため、とうもろこしの輸入価格は前年同期比で17.7%低下した。原料価格の変動と販売価格の改定にはズレが生じることがあり、同社はその環境を上手く利用したと言える。 (b) 製造 【強み2:生産基盤の強化による製品の安定供給とスケール】 畜産飼料事業で言えば、北海道から九州まで配置された全国13工場で地域の需要を賄っており、言わば地産地消の体制が整っている。年間販売数量368万トンは市場シェア15%にあたり、JA全農に次いで2位、民間企業では2位を引き離しての1位である。畜種別の販売数量構成比では、牛34.5%、鶏34.1%、豚31.3%とバランスの良い構成比である。バランスが良いことのメリットとしては、ある畜種で伝染病(例えば、鳥インフルエンザ)が発生した場合も、他の畜種である程度カバーできるなどがある。配合飼料の製造は典型的な装置産業であり、大規模な設備によるスケールメリットが効き易く、自動化された生産性の高い施設が有利となる。同社の製造設備には築50年〜60年超の老朽化した工場もあるが、2020年に竣工した最新鋭の北九州畜産工場などもある。販売数量が相対的に多い同社は、より低コストでの生産ができるという優位性がある。 (c) 製品開発・研究開発 【強み3:特許技術を搭載した製品ラインナップ】 同社は研究所を3拠点有し研究開発体制が整っており、差別性の高い製品をリリースしてきた歴史がある。搾乳のDX化に合わせた搾乳ロボット専用飼料である「ファイブギアドロップ」や品種改良が進んだ豚の課題に対応した「ノリノリポーク」など市場の変化に応じた製品を上市しており多くの特許も取得している。 (d) 営業・価格 【強み4:全国に販売拠点を配置し顧客ニーズをきめ細かく把握できる体制を整備】 【強み5:牛のゲノム解析や生乳分析による最新技術を活用した顧客サービス】 同社製品のユーザーは、養鶏や養豚、養牛を営む農家である。営業活動は、一部は特約店のスタッフが行うが、基本的には各支店の同社スタッフが行う。同社が得意とするのは提案営業・コンサルティング営業であり、畜種ごとに専門性を持ったスタッフが顧客のニーズに合致した製品を提案できる体制が整っている。研究所との連携も密で、技術スタッフが同行することも多いという。牛のゲノム解析や生乳分析による最新技術を活用した配合飼料コンサルティングは手厚い顧客サービスの典型事例である。販売価格に関しては、畜産飼料業界では3ヶ月に1回の価格改定が行われる。原料価格の変動が緩やかに反映されることになるが、変動幅やタイミングによって利幅が影響を受ける。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫) 《HN》 記事一覧 |