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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/03/19 11:04, 提供元: フィスコ エルイズビー Research Memo(4):主力サービスの「direct」により、大幅な増収増益(1)*11:04JST エルイズビー Research Memo(4):主力サービスの「direct」により、大幅な増収増益(1)■L is B<145A>の業績動向 1. 2024年12月期業績の概要 2024年12月期の連結業績は、売上高1,594百万円、調整後営業利益77百万円、営業利益47百万円、経常利益18百万円、親会社株主に帰属する当期純利益13百万円となった。2024年12月期にシステム・エムズを子会社化し連結対象としたことから、2024年12月期第4四半期より連結財務諸表を作成しているが、取得日が2024年11月であることから損益計算書にはシステム・エムズの業績を含めず、株式取得費用のみ計上した。なお、貸借対照表については連結している。 単体では、売上高(1,594百万円)は前期比24.5%増、営業利益(77百万円)は同102.4%増、経常利益(48百万円)は同51.0%増、当期純利益(42百万円)は同6.8%減と前期比2ケタ増収、各利益は最終利益を除き大きく増益となった。一方、期初予想比では、売上高は4.3%減、営業利益は49.4%減、経常利益は63.4%減、当期純利益は59.6%減と大きく未達となった。 業績予想を下回った要因は、売上面では、「direct」の契約社数や利用ID数は堅調に拡大したものの、クロスセルを計画した新規サービスで機能面の開発に時間がかかっていることや、ショット売上の一部の案件が2025年12月期にずれ込んだこと、連携ソリューションでの予想以上の解約の影響等が挙げられる。しかし、期初予想自体が前期比で30.1%の伸びを見込むといった、かなり意欲的なものだったことを踏まえれば、大いに善戦したと言える。利益面では、売上高が期初予想を下回ったものの、人員採用、広告宣伝、システム開発投資などのコスト面はほぼ期初予想どおり行ったことから、結果として期初予想を下回った。 売上高構成比の94.5%を占めるストック売上は1,506百万円(前期比63.0%増)。2024年12月期第4四半期のARR(Annual Recurring Revenue:年間経常収益)は前年同期比21.8%増の1,622百万円となった。前年同期のARRは同21.8%増であることから、継続して高い伸長を見せた。ストック売上(OEM分を除く)増加額の63.1%を既存顧客が占めており、既存顧客からの収益が成長を支えていることがわかる。また、2024年12月期第4四半期のNRR(Net Retention Rate:1年以上契約している既存顧客の売上維持率)は、114.5%と高水準を維持している。既存顧客によるID数の増加や、複数サービスのクロスセルを進めたことで実現した。サービスの利用特性として、企業内での利用者が増加するほどサービス解約のハードルが高くなる傾向があるため、この施策は契約継続の点からも有効と考えられる。なお、2024年12月期第4四半期の解約率は1.16%と低位を保っている。解約企業の契約金額は比較的小規模なものが多く、業績への金額的インパクトは小さい。一方、2024年12月期末の契約社数は603社(前期末比70社増)、「direct」のID数は247千ID(同22.6%増)となった。新規取引先の開拓や、利用者数の増加に向けた取り組みが順調に進んでいることが窺われる。なお、ショット売上は87百万円(同8.2%増)となった。ショット売上は顧客へのサービス提供に伴い発生するシステムの受託開発が対象となるが、ストック売上の増加と相まって堅調に推移している。 利益面は期初予想比未達となったものの、前期比では大きく成長した。ストック売上が94.5%を占め、売上原価に大きな増加がないため、売上高が伸びれば売上総利益率が高くなる。2024年12月期単体の売上総利益率は前期比0.6ポイント増の64.7%となった。売上原価が同22.3%増と売上高の同24.5%増を下回ったため、売上総利益率の向上につながった。また、販管費は同22.1%増の954百万円となったものの、販管費率が同1.2ポイント減の59.9%と低下したことから、営業利益の増益に寄与した。これまでは新サービスの認知等のために広告宣伝に力を入れてきたこともあり、販管費に占める営業関連費用の比率が高く、営業損益も損失基調であったが、2023年12月期からは徐々に低下しており、営業利益増加の要因の1つとなっている。 (執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一) 《HN》 記事一覧 |