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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/03/21 17:39, 提供元: フィスコ ハッチ・ワーク Research Memo(9):「ファーストワンマイルステーション構想」実現を目指す*17:39JST ハッチ・ワーク Research Memo(9):「ファーストワンマイルステーション構想」実現を目指す■ハッチ・ワーク<148A>の中長期の成長戦略 ビルディングイノベーション事業の安定的な運営と利益獲得をベースに、APクラウドサービスを成長エンジンとして月極イノベーション事業の成長を加速する方針だ。成長戦略を3段階に設定し、APクラウド登録台数の拡大、データの収集と活用、「ファーストワンマイルステーション構想」へとステップアップする。 1. 成長戦略1〜APクラウド登録台数拡大〜 月極駐車場の市場規模は、国内乗用車保有台数6,197万台超の50%弱と推定され、現在のAPクラウド登録台数374千台と比較すると開拓余地は相当大きい。しかし、競合他社も増えてきているため、同社としては早急に市場の面を、APクラウド登録台数拡大により埋めることを最優先課題としている。同社では、ポータルサイト「アットパーキング」の認知浸透と利便性向上による利用者数増加、「アットパーキングクラウド」の機能性向上と高評価による契約社数増加、そして月極駐車場を再定義して創り出す新たな市場領域・機会への利用者・登録台数の取り込みを、APクラウド登録台数拡大のためのサイクルとして回す計画だ。「アットパーキング」が利用者に選択されるために、リニューアルによるUI/UX※の向上、Webマーケティングの強化、PRとメディアへの広報活動強化などによる「アットパーキング」のブランディング、駐車場契約後の付加価値提供とCRMによるリピート増加、対話型AIによる顧客対応の自動化による顧客満足度向上などの施策を実行する。また、「アットパーキングクラウド」が管理会社に選択されるために、システムの管理機能の追加とUI/UXの向上、IT人材増員、システム導入時のフォロー体制強化による管理会社の導入障壁ゼロ化などの施策を実行する。そして、未利用地の月極駐車場化、商業施設などの駐車場「余白地」の月極駐車場化、入居者専用駐車場の月極駐車場一般開放などにより、新しい月極駐車場の市場創造を目指す。 ※ UI/UX:User Interface(ユーザーインターフェース)/User Experience(ユーザーエクスペリエンス)の略。ユーザーインターフェースは、ユーザーがシステムを操作する際の画面のデザイン、ボタンの配置などを指す。ユーザーエクスペリエンスは、ユーザーがシステムを通じて得る使いやすさ、満足度など全体的な体験を指す。 2. 成長戦略2〜データの収集と活用〜 月極駐車場を管理し収集される駐車場・利用者・車両データなどの属性データを活用することで、多様な需要予測分析などが可能となるため、他企業と連携しながら、それに基づいた推奨・提案などの実現を目指す。既に需要予測に基づいた新しい企画をいくつか展開中である。車両データからEV充電器設置を推奨しており、2023年3月にENEOSホールディングス<5020>とのアライアンスによりグランドプリンスホテル新高輪の月極駐車場にてEV充電サービス付月極駐車場「アットパーキングEV」の運営を開始した。同年11月にはEV充電インフラ事業を展開するTerra Motors(株)(テラモーターズ)と協業し、賃貸マンションに付帯する月極駐車場で同サービスの運営を開始した。アキマチ予約やリアルタイムな満空情報といった変動データを活用し、近隣の工事関係車両入庫者や一時利用者などに向けて「短期契約」ができる「アットパーキングウィークリー」も展開している。1日単位や1ヶ月単位での契約も可能だ。また、車検情報や走行情報などの変動データを活用して、カーライフサービス提供各社と連携する「アットパーキングカーサポート」を展開しており、カーケアなどのサービスを駐車中に受けられることで利用者拡大を目指している。さらに、満空情報などを活用して、月極駐車場の「空白地」をカーシェアリング拠点としてカーシェアリング事業者と連携して開発した案件が累計で400ヶ所を突破するなど、月極駐車場を再定義し、新たな価値を生み出す新たな市場領域・機会を次々と創造する取り組みを進めている。 3. 成長戦略3〜「ファーストワンマイルステーション構想」〜 成長戦略の最終ステップとして「ファーストワンマイルステーション構想」を提唱する。生活に隣接するエリア(=ファーストワンマイル)にある月極駐車場を再定義し、各種モビリティサービスの拠点(ステーション)となる全国ネットワークの構築を目指す。これにより、駐車場としての利用はもとより、地域住民などの利便性向上を図る。EV充電ステーション、カーケアステーション、カーシェアリングステーション、移動販売・宅配などのステーション、ドローンステーションなど、数多くのモビリティ活用サービスの拠点となることが想定され、ここにモビリティ関連の様々なサービスプロバイダが集まり、新たな経済圏を創ることを目指す。2024年5月には神戸市の第三セクターである(株)こうべ未来都市機構と協力した社会実験をスタートさせたほか、2024年6月には空間ソリューション事業を手掛けるフィル・カンパニー<3267>と業務提携し、地方自治体が管理する駐車場や空き地を利用した行政の課題解決となるようなサービスの提供を目指す。フィル・カンパニーは、これまで250ヶ所以上の空間ソリューションを手掛けており、空間ソリューション事業として「空中店舗フィル・パーク」、ガレージ付賃貸住宅「プレミアムガレージハウス」など独自のサービスを展開している。「空中店舗フィル・パーク」または「プレミアムガレージハウス」併設の月極駐車場に「アットパーキングクラウド」を掛け合わせることで、オールイン型駐車場の価値向上に資するサービスの開発を進めている。また、こうべ未来都市機構と協力した社会実験を進めるなかで、2025年2月に神戸市と「アットパーキングクラウド」月極駐車場の「災害ステーション」としての利活用に関する協定を締結し、全国の自治体やその外郭団体にまで「災害ステーション」のネットワークを拡充し、社会課題も解決する「ファーストワンマイルステーション構想」の実現を目指す。 ■株主還元策 成長基盤を強化し、将来の利益還元に備える 同社は株主に対する利益還元を経営上の重要課題と認識しているが、現時点では利益還元は実施していない。同社の月極イノベーション事業が成長過程にあるため、当面は、成長エンジンである「アットパーキングクラウド」への成長投資が優先されよう。新規上場に伴う新株発行などによる資本増強時には、調達資金を「アットパーキングクラウド」システムの更新投資、ビルディングイノベーション事業への設備投資、職場環境の改善などの成長投資に振り向けることを公言している。成長投資により経営基盤を強化し、企業価値を増大することで将来の利益還元に備える方針だ。 ■他社比較 厳密な意味で同社に類似した上場企業はないが、駐車場運営に関わる企業群の中で、時価総額100億円以下のプラットフォーマーなどと参考までに比較する。これらの企業群としては、日本駐車場開発<2353>、アズーム<3496>、パーク24<4666>、パラカ<4809>などが挙げられる。負債先行のビジネスモデルでないこと、利益成長率、資本効率の観点を加味すると、アズームが同社に近しいと言えるように見える。また、100億円以下のプラットフォーマーという観点では、不動産に絡むことと利益成長率の観点から、ツクルバ<2978>などは比較対象となり得るだろう。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘) 《HN》 記事一覧 |