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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/03/24 13:06, 提供元: フィスコ シンシア Research Memo(6):2024年12月期はM&Aで獲得したシステム事業が貢献(2)*13:06JST シンシア Research Memo(6):2024年12月期はM&Aで獲得したシステム事業が貢献(2)■業績動向 2. 事業セグメント別動向 (1) コンタクトレンズ事業 シンシア<7782>のコンタクトレンズ事業の2024年12月期売上高は6,074百万円(前期比2.9%増)、セグメント利益は628百万円(同9.1%増)と増収増益となった。自社ブランドの売上高は同3.4%増の3,906百万円と順調に推移した。クリアレンズは同2.9%増、カラーレンズ(サークルレンズを含む)も同5.7%増と、ともに順調な伸び率となった。そのうち主力製品であり販促を強化した「シンシア S」シリーズは、売上高は2,408百万円、同6.5%と伸長し(2年間で約1.5倍)、自社ブランドに占める割合も前期の59.9%から61.6%へと上昇した。「シンシア S」シリーズは眼科医の処方箋を取り扱う店舗チャネルでの販売ブランドであり、眼科医の高い評価を受けて、取扱店舗数は2022年12月期の2,163店から2024年12月期には約1.2倍の2,658店と増加した。他の大手メーカーがクリアレンズの値上げを進める中で、同社が発売以来価格を据え置いてきたカラーレンズの「シンシア1DAY S Cleche」の価格が他社のクリアレンズとほぼ同じ価格となり、同じシリコーンハイドロゲル素材を使ったスペックならば瞳を可愛く見せるデザイン性が備わっている方が良いと考える一部ユーザーの人気が上昇し、売上高は同18.1%増と伸長している。 一方、プライベートブランドの売上高は2,158百万円と前期比2.2%増となった。製品品質、安全性、装用感において優位性のある同社のクリアレンズは評価が高く、価格競争が厳しいながら同24.3%増と売上を伸ばしたが、円安による受注単価引き上げなどによりカラーレンズの売上が同47.1%減と大きく落ち込んだ。以上の結果、プライベートブランドに比べ利益率の高い自社ブランド製品の売上比率は64.4%と前期を0.3ポイント上回った。なお、コンタクトレンズ事業に含まれる薬事申請支援コンサルティング及び選任製造販売業者(DMAH)サービスについては、新たに2024年7月化粧品製造業の許可を、同年9月医薬部外品製造業の許可を取得した。コンサルティングや選任製造販売業者としての領域を拡充し、本格的なサービス展開を目指して準備を進めている。 (2) コンサルティング事業 コンサルティング事業の2024年12月期売上高は60百万円(前期も60百万円)、セグメント利益は30百万円(前期は15百万円の利益)と売上高は横ばいで増益となった。従来のM&A検討チームが2023年1月より事業推進部として独立し、医療脱毛クリニックの管理運営及びWebマーケティングによる集客のコンサルティング支援を行っている。 (3) システム事業 新たなセグメントとして追加したシステム事業の2024年12月期売上高は405百万円、セグメント利益は57百万円となった。POSシステム事業を展開するタロスシステムズは、2023年11月に51%の株式を371百万円※で取得し連結子会社としたが、2024年3月に残りの株式49%を367百万円で追加取得し完全子会社とした。のれんは425百万円となり、2024年12月期はのれん償却費が42百万円発生した。2024年3月には新たにメルカリ<4385>が運営するEコマースプラットフォーム「メルカリShops」と「タロスPOS」のAPI連携を開始した。システムのWeb連携を可能にすることで、「メルカリShops」ユーザーへの「タロスPOS」の導入促進及び「タロスPOS」ユーザーの「メルカリShops」への出店促進を図る目的だ。同年10月には、(株)エーツーが運営するEコマースプラットフォーム「駿河屋マーケットプレイス」とも同様の連携を開始するなど、リユース業界での市場拡大に向けた取り組みを進めている。 ※ タロスシステムズの現金及び預金が114百万円あり、ネットでは257百万円の支出。 3. 財務状況と経営指標 2024年12月期は、税金等調整前当期純利益468百万円、のれん償却費を含む償却費80百万円に加えて、仕入債務の増加などにより運転資金が113百万円減少したため、法人税等支払額が179百万円あったものの、営業活動によるキャッシュ・フローは435百万円の収入となった。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは、タロスシステムズの株式を367百万円で追加取得したため、421百万円の支出となった。また、長短借入金の返済248百万円、配当金支払88百万円で財務活動によるキャッシュ・フローは332百万円の支出となり、現金及び現金同等物は前期末比305百万円減少し1,888百万円となった。 2024年12月期の連結貸借対照表は、タロスシステムズの株式追加取得に伴うのれんが前期より239百万円増加するなど固定資産が334百万円増加したが、現金及び預金が305百万円減少するなど流動資産が318百万円減少したため、資産合計は16百万円の増加に留まった。負債合計は長短借入金を248百万円返済したことで196百万円減少した。一方、純資産は親会社株主に帰属する当期純利益301百万円が加わり213百万円増加したため、自己資本比率は49.1%と前期末を5.1ポイント上回った。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘) 《HN》 記事一覧 |