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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/03/26 13:01, 提供元: フィスコ スカラ Research Memo(1):2025年6月期中間期は黒字転換。2026年6月期以降は再成長軌道へ*13:01JST スカラ Research Memo(1):2025年6月期中間期は黒字転換。2026年6月期以降は再成長軌道へ■要約 スカラ<4845>は、「倫理的価値観を持つ」「社会的責任を全うする」「永続的に繁栄する」という企業理念のもと、IT事業を主軸としてM&Aにより事業を拡大してきたが、業績悪化を受けて2024年6月期に事業構造改革を断行し、2025年6月期からは新経営体制下で業績の立て直しに取り組んでいる。 1. 2025年6月期中間期の業績概要 2025年6月期中間期(2024年7月〜12月)の継続事業※の売上収益は前年同期比3.9%増の4,803百万円、営業利益は264百万円(前年同期は162百万円の損失)と2年ぶりに黒字転換した。主軸のDX事業において金融サービス関連の大型開発案件を予定どおり納品できたことに加えて、前下期に実施した事業構造改革効果により人件費や地代家賃などの固定費を削減できたことが収益改善要因となった。会社計画(売上収益4,890百万円、営業利益175百万円)に対しても営業利益で上回るなど順調に推移した。なお、事業構造改革については7割程度の進捗となっており、不採算事業の売却等を含めて2025年6月期末までにすべて完了する方針だ。 ※ 2024年6月期第3四半期に(株)フォーハンズ、同第4四半期に(株)readytowork、(株)スポーツストーリーズ及び(株)ブロンコス20、2025年6月期第2四半期に(株)Retoolの株式を売却し連結対象から除外したほか、2024年7月に(株)レオコネクトを解散及び清算する決議を行っており、これら非継続事業を除いた業績。前年同期も継続事業ベースに組替えて比較している。 2. 2025年6月期の業績見通し 2025年6月期の業績は、売上収益で前期比5.7%減の10,100百万円、営業利益で550百万円(前期は2,155百万円の損失)と期初計画を据え置いた。今後不採算事業の売却が決まった場合には売上収益は下振れするが、営業利益では上振れ要因となる。主軸のDX事業については、旺盛なIT投資が続くなかで下期も堅調に推移する見通しで、新たなサービスも複数リリースしている。2024年9月に大塚製薬(株)との共創プロジェクトとなるヘルスケアサービス「fitbiz」を、同年11月に自治体の給付金関連事務をサポートする「定額減税・給付金申請管理システム」の提供を開始しており、今後の動向が注目される。また、インキュベーション事業において子会社の(株)ソーシャル・エックスが展開する官民共創型の新規事業開発支援サービスについても徐々に実績が積み上がっており、新たなビジネス創出につながるものと期待される。人材事業やEC事業は中間期の進捗率が計画を若干下回ったものの、下期の挽回を目指している。 3. 経営戦略と株主還元方針 同社は事業構造改革完了後の2026年6月期を再出発元年と位置付け、新たな中期経営計画を発表する方針だ。基本戦略として、IT事業(DX事業及びEC事業)と人材事業を主軸に収益力の強化を図り、早期に営業利益率で10%台への復帰を目指すものと考えられる。また、M&AについてもIT事業や人材事業の強化につながる案件であれば前向きに検討していくようだ。株主還元方針については安定配当の継続を基本とし、2025年6月期以降は適正な内部留保の水準に照らし、子会社等の株式売却益等の特殊要因を除いた税引前利益ベースで50%を目安とすることにした。同方針に基づき、2025年6月期の1株当たり配当金は前期の37.5円から16.0円(1株当たり税引前利益の51.3%)に減配する予定だが、2026年6月期以降は収益を成長軌道に戻すことで増配を目指す。 ■Key Points ・2025年6月期中間期は事業構造改革効果で2年ぶりの黒字に転換 ・2025年6月期業績は期初計画を据え置くも、利益ベースでは上振れの公算大 ・事業構造改革を完了し、2026年6月期以降は再成長軌道へ ・2025年6月期は配当方針変更で減配予定だが、2026年6月期以降は再び増配を目指す (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》 記事一覧 |