海外で出版された相場関係の書籍の多くは、本地垂迹的に日本の市場に当て
はめるには多少違和感がありますが、本書はそれを感じさせない、普遍的な
有用性を感じさせます。
内容は、ある指標における群集心理に関する考察や、それに対する投資家の
処し方などが詳細に解説されています。
著者が精神分析医であるのでその手法から起因するのでしょうか、事例を詳細
に分析解説している文章を読み進んでいくうちに、マーケットで起こる様々な
事象に関して、自然に読者の関心を喚起させるような構成になっています。
熟読精読に耐えうる名著だと思います。
実は矢口 新氏『生き残りのディーリング』を取り上げたかったのですが、残念ながら現在絶版になっており、ご紹介するにあたり読者が購入出来るお奨め本として、『投資苑』をあげました。
原題が『Trading for A Living』ということで、偶然にも前述した書籍と方向性が
一致しているように思いますし、本書は前述した書籍に比べ勝るとも劣らない
名著であります。
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