大学3年のとき、海の力学のなかに出てきたうず度の物理的イメージがつかめなくて、ボクは苦労したな。けれど、なまじ頭のいい同級生はそんなことお構いなし、算数あやつってすいすい計算してましたね。
金融分野にも頭のいい人がおおいせいか、算数のおけいこ本みたいな金融工学の本が多くて、しかもやたら種類が多くて、選ぶのは難儀でたいくつ。
けれど見つけましたよ、秋葉原駅構内の本屋で。まさにこれだ、といえる1冊。 手触りよし、ねだんもよし、サイズもグー(なんせブルーバックスだからね)!! 文章は軽妙、数式の展開も親切、お笑い本として通勤電車のなかでも楽しめます。著者の知性と感性の豊かさが伝わってきます。
著者は金融定理のイメージ(つまり物理現象としてのイメージ)をしっかり頭に描けないと、金融工学は算数のおけいこになってしまう-----と警鐘をならしています。それを踏まえて、この本は数学の初歩からディリバティブ理論まで、それらの理論的背景も含めて諄々と説いてくれます。だから初心者はいわずもがな、数学大得意の人にとっても得るところ大と思います。
読むべき本、読まなくてもよい本をはっきり書いてあるのも、とってもありがたいね。
いやあ、こういう先生に海の物理の本書いて欲しかった。
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