私が最初この本を求めようと思ったのは、米国の著名な投資家ウォーレン・バフェッ
ト氏が若い頃この本を読んで、その著者であるフィリップ・フィッシャー氏に会いに
行き、以後フィッシャーの投資法の影響を大きく受けたと知ったためです。
1929年の米国の金融界の信じがたいお祭り騒ぎとその後の苦難の時代をフィッシャー自身が見てきたり、戦争の時代も生きてきて、戦争による株式市場への影響なども
冷静に分析しています。そして「真に優れた企業を見つけ出し、市場がどれだけ激し
く変動しても、その企業の株を保有し続けることが、大きな利益をもたらす」といった結論を導きだすと共に実際の投資でも大成功をおさめました。
最高の株を手に入れるためには、「聞き込み調査」が重要、足を使った調査などもし
なければならないといったことで、今では非現実的と思えるような調査法も紹介され
ています。我々としては、その様な調査は出来なくても、それぐらい銘柄選択に時間
をかけなければ大きな果実を手に入れることは出来ないという教訓として大いに役に
立つものだと考えます。
また、持株が下がり続けて、考えられないような安値をつけているときでも、この本
を読み直せば勇気がわいてきます。すばらしい銘柄を安値で処分してしまうこともな
く、信念をもって長期間持ち続けられる結果、大きな果実を手にすることも事実可能
といえるでしょう。