著者の岩元貴久さんは、在米のインターネット・マーケッターの第一人者です。
タイトルだけみれば、資産運用とはほとんど関係がない本なのですが、この著作はビジネスをしていく上、生きていく上でとても重要な気づきを与えてくれるのです。
では、最大の気づきとは何か?
それは、私のミッションでもあるのですが、「与えるから、与えられる」(Give and given)という人生普遍の法則です。(すいません、スピリチュアルなものが苦手な方は読み飛ばしてください。)
つまり、自分の周りの人に何でもいいから、私心なく、役に立つことや助かることをすれば自然にそれが自分に還ってくるというものです。
金融界は、ほとんどの事象の結果を数字と論理で説明しようとします。
例えば、
「株価が下がったのは、原油価格が上がり、インフレ懸念が昂進し投資
家の株式投資に対する懸念が増大したから」
はぁ?ホンマですか?
「円高になるのは、投機筋がドルを買って、円を売ったから」
投機筋って?
そりゃしょうがないんですよ。理論と数字の整合性がないと記事も書けないし、稟議書も通らないのですから。
まあ、ことほどさように、お金の動きを論理で説明し、儲けの原則が技術やスキルにあるように説明します。
確かに、技術とスキルだけで儲けられる方もいらっしゃいます。何万人かに一人は。それに、技術とスキルはそれなりに必要ですよ。もちろん。
ただ、今までもこれからも、本当に豊かな人は、初めから資産を創ろうとして築くわけではないのですね。
かのヘンリー・フォードも言っています。
「財産は来るもので、作るものではない」
つまり、投資の世界でも私心で儲けようとすると、手痛い失敗やロスをこいたり、耐え切れなくなって損切りするってことです。
モノが有り余っているこれからの時代は、いかに稼ぐか?ではなく、「いかに人のために遣うか」がビジネスや資産運用のキーワードとなります。
金融界にどっぷり浸かってしまうと、理論=解決となってしまうのですが、理論では済まないもっと重要なことがあるということを本書は気づかせてくれます。
P.S. 不思議なことですが、このオススメを書いているのも、岩元さんの著作がキッカケなのですよ。