10年ほど前、投資を始めたばかりの頃に読んだ本。第9版が出版されたのを機に読み直してみました。その当時はこの本を読んで理解したような気になっていましたが、投資でさまざまな失敗を経験した今、改めて読み返してみると「なるほど!」と感じることがたくさんありました。
著者のバートン・マルキール氏は大統領経済諮問委員会の元メンバーで、現在は米国プリンストン大学経済学部教授。初版は1973年というロングセラーです。現在は第9版で新しいデータなども加えられています。
著者の主張は「長期的に市場に勝てる投資戦略というものはほとんど存在しない。何が良い戦略だったのかは結局後になって初めてわかるもの」「インデックス・ファンドを購入すること、頻繁に売買を繰り返さないこと、そして定期的にリバランスすることが投資の成功の秘訣である」といった点に集約されるでしょう。
こうまとめてしまうと単純明快なのですが、そこに至るまでのアプローチは非常に参考になると思います。これから投資をはじめる人はもちろんですが、投資経験者にこそ改めて読んでほしい1冊です。
余裕があれば、ジョン・C・ボーグル氏の『マネーと常識』(日経BP社)も併せて読んでみてはどうでしょうか。