もし、自分が有効であると思ったルールがあるのであれば、この本の内容に沿って「戦略」という視点から検証してみてください。きっと驚くような発見があるでしょう。
本著はロバート・パルド著 『トレーディングシステムの開発と検証と最適化』 を、16年という歳月の後に改訂したものです。前著と出会ったのは2005年ですが、それこそ常に手元に抱えボロボロになるまで読みふけりました。当時から、さまざまな戦略を作っては運用していますが、それらに本書は大きく貢献してくれました。
この本は具体的な売買ルールは1つも示していません。しかし、「売買ルールを含めたトレーディング戦略を如何に開発し検証するか、如何にリスク管理を行いながら運用していくか?」について、充実した解説で溢れています。
今回の改訂版は、昨今のトレード環境の変化を考慮したものになっているようです。現在はさまざまなシステムツールが用意されたことで、昔に比べ、戦略作りの敷居はだいぶ低くなったと思います。ただ残念なことに個人投資家にとっては、戦略作りの難しさは依然として存在し、結局、トレードそのものを他者に丸投げ依存してしまう傾向もあるようです。書店の投資コーナーも、そのようなニーズを満たすための「現れては消える」書籍で溢れています。
しかし、本書の内容は普遍的です。どのような時代や市場においても、当たり前のことを当たり前として行わなければ成らない、基本的な事柄が網羅されています。
値段も高めで、内容も多少高度に思えるかも知れませんが、トレード戦略への最適なアプローチを取るためには、どうしても避けて通れない一冊でしょう。