HSPの細やかさや共感力は、評価され称賛されるべき才能です。でも、それゆえに周囲の刺激に敏感で、たえず気を遣い、ときに他者の感情に責任すら感じて疲れ果ててしまいます。また、思いやりのある性格ゆえに、自己愛の強いナルシシストや他者を操ろうとするマニピュレーターなど、自分の利益のために他者から搾取しようとする毒のある人(毒人)にねらわれやすい傾向があります。
本書を読めば、ガスライティング、 投影、ラブボミングなどといった危険を察知し、マニピュレーションの魔の手から逃れるためのヒントが見つかります。そして最終的には、自己愛性虐待(ナルシシストからの虐待)による傷から立ち直り、他者とのあいだに健全な境界線を引き、揺るぎない自我を確立する方法を身につけることができます。
著者のシャヒダ・アラビは、本書の執筆にあたって数千人に及ぶ虐待サバイバーと交流し、知見を深めました。そうした知見や自身の実体験(著者自身もHSP)に加えて、心理学をはじめとするさまざまな学術研究の解説が本書の実用性を高めています。
「シャヒダ・アラビは、私たちの世代の代弁者であり、世界的な専門家であり、勇敢なオピニオンリーダーだ。
本書は、HSPが経験することについて解明するだけでなく、HSPが真の自分自身を見つけ、特有のすぐれた能力を生かして自分らしく生きられるように導いてくれる。あなたが繊細で、直感が鋭く、他者の気分や感情に敏感なタイプなら、感情と賢く付き合う方法だけでなく、あなた自身の人生とこの世界をよりよいものに変える方法を本書から学ぶことだろう」――モニカ・M・ホワイト(認定心理カウンセラー)
■目次
序文
はじめに――HSPが毒のある人と出会ったら
第1章 まぜるな危険――HSP、マニピュレーター、ナルシシスト
第2章 良性と悪性――毒のある人の5つのタイプ
第3章 毒のある人との付き合い方――マニピュレーションの策略に対抗するために
第4章 毒のある人からのリハビリ――依存から脱して関係を断つために
第5章 境界線を引く――プレデターを寄せつけないために
第6章 武器を備えよう――日常でできるセルフケアとリフレーミング
第7章 避難と回復――HSPのためのさまざまな癒やしの療法
■はじめに――HSPが毒のある人と出会ったら
2016年に私の書いた「20 Diversion Tactics Highly Manipulative Narcissists, Sociopaths, and Psychopaths Use to Silence You(他者を巧みに操るナルシシスト、ソシオパス、サイコパスがあなたを黙らせるために使う20の迂回戦術)」という記事はあっという間に世界中へ広まり、1800万人以上に届いた。自己愛の強い人からのサバイバーに加えてメンタルヘルスの専門家までが、認知を広げようと熱意をもって記事をシェアしてくれたおかげだ。実際に経験した人からは、他者を操ろうとするマニピュレーションの手口を明かされて驚き、彼らの自己愛の強い元配偶者やきょうだい、親や同僚のことを私が知っていたかのようだというコメントが数多く寄せられた。長年にわたって理解し認めてもらいたいと思ってきたことに対して、何かをつかめたと訴える手紙もたくさんあった。HSPには、さまざまな毒のある人と遭遇しやすいという特異性がある。というのも、マニピュレーターは搾取する対象として、共感力が高く、誠実で、感情に基づいて反応する人を求めているからだ。私に連絡してきた人の多くは、ナルシシストやソシオパス、サイコパスといった、きわめて毒性の高い人と出くわしていた。犠牲者たちは次のような体験をしていた。
- 自己愛の強い毒のある人と、親密な人間関係や友人関係、職場、ときに家族内で出会った。
- 毒性の高いタイプの人によって、無情で残酷な方法で美化され、評価を下げられ、妨害され、なすすべもなく見捨てられた。
- 心をさいなみ人格が崩壊するような暴言や心理的虐待にさらされ、ときに身体的または性的虐待まで受けて、何カ月も、何年も、あるいは何十年も苦しんできた。
- 閉ざされた空間のなかで、パートナーによって孤立させられ、抑圧され、過小評価され、支配された。
- ストーキングやハラスメント、病的な嫉妬、怒りの爆発、常習的な浮気、病的な虚言に耐えてきた。
- 巧妙な企みやうその標的にされて、貶められ、気力を奪われた。
私は自己啓発書の著者として、毒のある人からのサバイバー数千人とやりとりしてきた。そこでわかったのは、ナルシシストなどの有害な人にとって、共感力の高い人や誠実な人の感情を操作して、「自分は妄想を抱いているのかもしれない」とか「どうせ失敗する」とか「過剰に反応しているだけだ」と思い込ませることなど、いとも容易だということだ。それゆえに、共感力の高い人や誠実な人が標的にされ、自己不信に陥れられるのである。
本書を手に取っているということは、あなたも身のまわりにいる毒のある人にまいっているのかもしれない。
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