ポーカーで証明した正しい意思決定 ――知識ゼロからメジャー大会優勝の軌跡
マリア・コニコヴァ,
フジタカシ
パンローリング
A5判 並製本 360頁 2021年6月発売
本体 2,200円 税込 2,420円
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エリック・サイデルを筆頭に獲得賞金60億円のコーチ陣が登場!
世界15か国で出版決定
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世界一の名に、“女性”という冠は要らない!
心理学の博士号をもつジャーナリストのマリア・コニコヴァは、2015年、プライベートで悲運が重なった。物事が悪い方へ転がる中、不運やコントロール不能な事象について書籍を読みあさった彼女がたどりついたのが、未経験のポーカーである。
ポーカーには誤解が多い。その筆頭がギャンブルと混同されがちだという点だ。世界大会で優勝すれば、何億円もの賞金が一度に手にできるため無理はない。しかし、その頂に立つまでに連日何時間も続けられる死闘を勝ち残ることがどれだけ心身ともに厳しいか。
ポーカーは対戦相手のカードが見えない不完全情報ゲームである。数学的な最適解を求めながらも相手の手の内を探り、自分を順応させていくことが重要となる。自分が正しいと判断したことでも、相手の感情や行動によって全く異なる結果を生むこともある。そして自分自身でさえも、焦りや怒りといった感情で空回りすることも。まさに人生の縮図といえる。
だからこそ、マリアは人生の教材としてポーカーを選んだのである。
さらにポーカーのもう一つの特徴。それは現段階では参加者の大半が男性で、極端に女性が少ないという事実である。実社会同様、極端な差異は圧力を生み、対女性に対しては攻撃性が増す。女性は正しい決断をする前に、男性ならば直面しないさまざまな弊害を乗り越えることからスタートする必要があるのだ。
勝負以外での男性からの侮蔑や弱さを装う老人や同性からの裏切り、自分自身の短絡さに打ちひしがられながらもマリアは女性プレイヤーとしてではなく、一プレイヤーとして世界を目指した。しかも一年という短い期間で。
彼女がポーカーのメンターを依頼したのは、エリック・サイデル。世界一のタイトルを何度も勝ち取り、生涯の獲得賞金は“40億円”を超える圧倒的なトッププレイヤーだ。トップと評されるのは賞金額だけではない。オンラインポーカーの台頭やポーカーアプリの出現、さらにトーナメントとなると連日の長時間プレイとなる世界において、30年以上も一流の座に君臨していることは並大抵の努力では実現しえない。
さらに二人のこの挑戦に協力し、助言を与えた人物たちもまた、ポーカーで億を稼いでいる一流プレイヤーばかりである。ポーカープレイヤーの誰もが憧れるのブレスレット(タイトル)ホルダーであるダン・ハリントンからはポーカーの基礎戦略を。ポーカーソフトの開発者フィル・ガルフォンドからは観察眼を。そして、エリック・サイデルから別格と評されているラッキー・チューイことアンドリュー・リヒテンバーガーからは集中力を。そしてトップレベルのスポーツ選手・投資家などから依頼が絶えない一流のメンタルコーチであるジャレッド・テンドラー(『ザ メンタルゲーム』著書)からは彼女自身の欠点の見直しを伝授された。心理学の素養の上に一流のアドバイスが加わった、まさに身銭と人生をかけた挑戦である。
本書はポーカーを土台にしているが、確率や戦略を解説したものではない。もちろんポーカーシーンでは専門用語が出てくるが、本書のテーマは正しい意思決定を学び、自信を持って人生を切り開くことである。
マリアは本書のなかで、自分の感情や判断ミス、体調にいたるまで正直に表現豊かに記している。心理学者という肩書がありながらも、自分の感情コントロールができていなかった点まで赤裸々に。
頭では理解していても、現実の感情がそこに言い訳を与えてしまう事実、それを認識することで彼女の人生は変化していく。以前なら妥協して引き受けた仕事も、冷静に交渉をして好条件を引き出せるようになっていく。まさに、自分自身で己の価値を高めていく術を身につけたのだ。
人生にはどうしても不確定な要素がつきまとう。そんななかでも、目の前にある見落としがちな情報をつかみ、その現状に適応し、冷静に意思決定したうえで、自信をもって行動する。どんな世界でもどんなステージでも通用する、人生において大切なスキルを本書は教えてくれる。
【目次】
プレリュード/2017年7月、ラスベガス
アンティアップ/2016年晩夏、ニューヨーク
ギャンブラーの誕生/2016年秋、ボストン
負けの美学/2016年秋、ニューヨーク
戦略家の思考/2016年晩秋、ニューヨーク
男の世界/2016年冬、ニューヨーク
バッドビートなどない/2017年冬、ラスベガス
数百万通りから/2017年冬、ラスベガス
物語のビジネス/2017年3月、ラスベガス
ギャンブラーとオタク/2017年4月、モンテカルロ
テルの全て/2017年5月、ニューヨーク
自分を読む/2017年5-6月、ニューヨーク
フルティルト/2017年6-7月、ラスベガス
栄光の日々/2018年1月、バハマ
ギャンブルの野獣の心/2018年3月、マカオ
ゲームの誤謬/2019年6月、ラスベガス
■著者紹介
マリア・コニコヴァ(Maria Konnikova)
ハーバード大学を卒業後、コロンビア大学で心理学の博士号を修得。ニューヨーク大学ジャーナリズム大学院に客員研究員として在籍。「ニューヨーカー」誌でコラムを連載するほか、「ニューヨーク・タイムズ」誌、「ウォールストリート・ジャーナル」誌、「ワイアード」誌など多数の媒体に寄稿するジャーナリスト。
2019年に人格社会心理学会の優秀科学ジャーナリズム賞を受賞。同年、ホストを務めるポッドキャスト番組の功績により全米雑誌賞にノミネートされる。
他の著書に『シャーロック・ホームズの思考術』(早川書房)、『The Confidence Game――信頼と説得の心理学』(ダイレクト出版)。本書執筆のために始めたポーカーでは、国際大会優勝、トーナメントでの通算賞金30万ドル超と、華々しい実績を残している。
■訳者
フジタカシ (ふじ・たかし)
上智大学法学部卒業。ポーカーは少年期に滞在していたヨーロッパで出合って以来の愛好家。レクリエーションプレイヤーとして、主にテキサスホールデムを嗜んでいる。訳書に『賭けの考え方』『確率の考え方』(パンローリング)がある。
序章
今日は、1年で最大のポーカートーナメント、「ワールド・シリーズ・オブ・ポーカー(WSOP)」のメインイベント初日だ。ワールドカップやマスターズ、スーパーボウルに匹敵するイベントだが、それらと違うのは、超一流アスリートでなくても参戦できること。この大会は全ての人に開かれている。きっかり10,000ドルあれば、世界中の誰もが大会に参加して栄誉あるポーカー世界チャンピオンのタイトルと、900万ドルにまで達したことで知られる賞金を目指すことができる。
英国人かオーストラリア人なら、賞金は免税だ。
プロのポーカープレイヤーにとってもアマチュアにとっても、まさにキャリアの頂点。もしこのメインイベントで優勝しようものなら、ポーカー史に名を刻むことが保証される。席に着いた時点で、ポーカー界で最も権威があり高額な賞金への挑戦権が手に入る。この一発勝負のために何年も貯金した人もいるのだ。(中略)
1ラウンド毎に、丁寧に積み重ねられたチップは少しずつ低くなっていく。しかしそこは空席のまま。世界で最も権威あるポーカーイベントに参加するためにお金を払ってなお姿を現さないとは、一体どんなアホだろうか? メインイベントの真っ最中にみすみす自分を「ブラインドダウン(ハンドをプレイせずに、参加費だけで自分のチップをすり減らすこと)」させるとはどれほど間抜けなのだろうか?
その天才は、残念ながら、本書の著者である。(続きを読む)
(カジノブックシリーズ27)
読者のご意見
パンローリング社よ、何と言う凄い本を出してくれたのだ!
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