まず、第1部では、景気循環と投資の関連について、とくに個人投資家がどのように景気局面を判断していくべきかを分かりやすく解説します。また、現在著者が暮らすニュージーランドと日本の状況を比較し、日本における投資の必勝パターンを示唆。最後に、2025年にかけて日経平均が大幅に上昇するという著者の考えが語られます。これまでの財政政策を紐解き、日銀が今後も大規模な金融緩和政策を長期間、続けることによって日経平均株価が押し上げられること、そしてそれはMMT理論や最近のデフレ傾向などからも予想以上の規模・期間にわたるという見方が、著者の予測の核心になっています。
後半の第2・3部では、1980年代から現在にいたる日本の投資市場の概略を、政治・社会の状況、日銀の政策を中心に振り返ります。著者の40年の投資経験を織り交ぜながらの解説は、国の経済という大局面に合わせてなすべき投資術を知り、令和時代の流動的な株式・不動産投資市場を乗り越えようとする個人投資家にとって大きなヒントとなるはず。
投資塾などで数々の予測を的中させ、昭和〜平成の日本株市場と不動産市場の 荒波を経験してきた著者の「日経平均5万円」予測に耳を傾けてみてください。
1980年代後半のバブル最盛期のバブル時代から日本が低成長経済に陥ったその後のデフレ期約20年、そして2013年にアベノミクスが始まってから、日本でも「政府の借金は悪ではない」「お金は循環しなければならない」というようなパラダイムシフトが起こりつつあります。世界的な情勢の大転換期から2030年へ向かって、日本経済が大きく変化してく時代の幕開けのようです。
最近は、米国と中国による世界覇権をかけた米中貿易戦争や、現在時点では新型コロナウイルスによる世界的な大不況が進行しています。既に世界中の国で、この大不況を克服するために、各国政府の財政拡大政策や超金融緩和が行われています。
結果的に、日経平均が5万円になるシナリオを強く印象付ける時代がやってきました。この書籍を書き始めてからの状況や情勢の変化によって、この書籍の内容に厚みがでてきましした。著者としてはたいへん喜ばしい状況になったのです。
機関投資家は、大きなポートフォリオを運用するのに、インデックス投資が最善であることにも気づき始めており、過去10年でそのように変化してきています。巨大な株式投資家となった、GPIFや日銀がそれを証明しています。
これからの時代は、個人投資家が機関投資家を投資で打ち負かせる時代に変化していくと考えています。日本でもインデックス投資家が大きく増えていくでしょう。加えて、個人投資家は小回りのきく投資で、機関投資家を大きく上回るようなリターンを上げるようになるでしょう。
その際に大切なことは、技術革新による20年から50年以上の経済の成長過程や約10年程度の景気循環などを知った上で、株式投資をすることです。私も約40年間、株式投資家として、このような大変動の時代を勝ち残ってきました。
ペンネームも「ふりーパパ」から「成長株テリー」に変えました。これはいくつになっても人間として「成長株」でいたいと思いを込めて変えたものです。個人投資家として、この書籍の内容が血となり肉となって、みなさんの屋台骨を支えるものとなることを期待してやみません。
第2部 日経平均から見た今後の投資
第5章 1980年〜1990年 インフレから金余りバブル経済の時代
第6章 1990年〜1999年 バブル経済の崩壊からデフレ経済へ
第7章 2001年〜2010年 小泉構造改革からリーマンショックまで
第8章 2010年〜2020年 円高から東日本大震災、アベノミクスへ
第3部 今後の見通しと総括
第9章 2021年以降の景気と投資
あとがき
巻末資料
経済サイクル投資法 気候と地政学と新技術が導く市場の構造変化と長期トレンド
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