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生き残りのディーリングVeteran's choice:
★☆☆
矢口新東洋経済新報社 四六 197 pages, released in Oct. 1990 1,655 yen (including tax 150 yen) , Free shipping fee to Japan. Not available Tweet 本書は『生き残りのディーリング 決定版』として全面改訂しました。
相場に関する情報が氾濫している。株式市場、債券市場、為替市場など各市場の動向が、日々のニュースで解説される。
相場とは、一体何なのだろう。価格変動のメカニズムとは、相場のプロとはどういう人たちなのか。こういった素朴な疑問を抱く人は多いが、一方それに対する満足な答えがなかなか得られないのも現状である。
ディーリングは芸術の領域だという人がいる。 ディーラーとしての私の根っこは日短エーピーでの為替ブローカー時代にさかのぼる。一般にブローカーはポジションを持たないとされている。確かに積極的にポジションをとり相場をはってゆくことはないが、スタッフと呼ばれる一種の事故によって無理矢理にポジションを持たされることは一日に何度となくある。スタッフとは、例えば一つの売り物に対して、三人の買い手が殺到した時に起こる。この時ブローカーは三人の買い手にそれぞれ売り物を渡すことが少なくない。売り物はもともと一つなので、後の二つはブローカーのリスクでポジションをとらされたことになる。このポジションはその性質上持った時点では常にアゲインストである。機械的に損切っていては収益に大きく影響を与えるので、いかに損を少なくするかの後向きのディーリングを行わざるを得ない。辛い仕事ではあったが、相場を見る厳しい目が培われたと信じている。 野村證券時代は、為替のディーリングに加えて、米国財務省証券、ヤンキー債、米国企業の社債のディーリングをやらせていただいた。ここでは積極的に利益を狙ってゆくディーリングと、マーケットメイキングとを覚えた。一時、米国株のセールスも経験した。 グリニッジ・キャピタル社では在ニューヨークの日系の生命保険会社、信託銀行を担当して、米国債のセールスを経験した。アービトラージ、オプションについてはここで学ばせてもらった。
私が経験したディーリングは商品勘定が中心で、顧客の資金を預って運用するポートフォリオのマネージングとは趣きを異にしている。しかし、どちらにも変動商品を扱って収益を追求してゆくという根本的な共通点が存在する。 会社員としての仕事のかたわらなので、本書を仕上げるのに一九八七年の暮から一九九○年の初頭まで二年以上の歳月を費やした。二年の間には当然金利も為替も変動するため、書いていた当時とは価格水準が違ってきている。しかし、本書の内容にはいささかの影響もないと思われるので、あえて変更はしていない。
本書の仕上げの段階で日本興業銀行の長谷毅氏に貴重な助言をいただいた。資料の作成には米国ムーディーズ社の谷田部えり子、野村證券の吉岡克祥、田村奈文の諸氏に協力していただいた。東洋経済新報社の園田清治氏とは何度も国際電話で打ち合せするなど、一方ならぬお世話になった。これらの方々の協力なしには本書も出版の機会を得ることがなかったかもしれない。ここに改めて感謝の意を表したい。 目次はしがき第I章 なぜ、相場は動くのか 1、何が相場を動かすか 2、トレンドラインの科学 I ーその意味するものー 3、トレンドラインの科学 II ー新しいアプローチー 4、チャートの意味 5、相場の基本は日計り 6、三勝七敗のディーリング 7、損切り論 8、買い乗せ 9、押し目買い、戻り売り 10、順バリか逆バリか 11、Buy the rumor, sell the news 12、値ごろ感 13、情報の意味 14、材料(経済指標) 15、相対的価値 16、Always long on the top 17、今日の高値は明日の安値 第II章 何に相場をはるのか
1、何に相場をはるのか
1、ゼロサムゲーム
1、ドルの価値 著者紹介矢口 新1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業、日短エーピー、野村證券、米国グリニッヂ、キャピタルマーケット社、外資系証券会社を経て、スイス・ユニオン銀行 東京支店勤務 ホームページ Other recommendations
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