ブレアー・ハル Blair Hull
有利なオプションを組み合わせて、6年半で137倍の収益を上げた「元ギャンブラー」
ブラックジャックで培った確率論の一般的な原則が、価格設定を誤ったオプション取引に応用できることに気が付き、トレーダーに転進。1976年に2万5千ドルで始めた資産を3年で20倍にしている。1985年、ハル・トレーディング・カンパニー設立。


新マーケットの魔術師

ブレアー・ハルはトレーダーになる前、ブラックジャックのプレーヤーだった。奇妙に思えるかもしれないが、決してそうでもない。現実に、この二つはとても似ているからだ。しかし、ポイントはトレーディングで勝つことはギャンブルでの運に似ているということではない。むしろトレーディングとギャンブルの両方で勝ち続けるのは、戦略と訓練の成果であり、運ではないということである。運は、不利な状況をなんとか切り抜けるための短い間しか、その役割を果たさない。

 カジノがハルのブラックジャック・チームに目を付け始めたため、彼は確率論でカネ儲けができる別の道を探していたのである。そして、この確率論の一般的な原則が、価格設定を誤ったオプション取引に応用できることに気が付いた。1976年に25000ドルで始めた彼の資産は、1979年の初めにはその20倍になっていた。彼はその後も着実に利益を重ね、(彼がトレードを休んだ年を除いて)年平均で100%の収益率を出し続けた。

本書で、著者のジャック・シュワッガーに「例のソープの本は、あなたのトレーダーとしての成功に何らかの形で貢献したと思いますか?」と尋ねられたハルは、 「彼の本でブラックジャックの方法論を学んだのは事実だね。そして、その知識がなかったら、僕は、今日、トレーディングをしていなかったと思う」と答えている。

(『新マーケットの魔術師』より)