携帯版 | ||
|
ラリー・ウィリアムズの短期売買法ラリー・ウィリアムズ著 / 清水 昭男/長尾 慎太郎/柳谷 雅之訳「短期売買」という表題から、当初はいわゆるデイ・トレードの手法に関する書物を想定したが、ラリーはむしろデイ・トレード否定派であり、少しがっかりした。しかし、大きな利益をあげるには時間が必要だとの言葉に、頷かざるをえないものを感じた。 本書で紹介されるあらゆる手法について、利食いと損切りのポイントを あらかじめ設定したうえで、成果を長期間について検証しており、 その徹底した実証主義的な姿勢には、感銘すら受けた。 一般に有効とされている手法が、実証の結果、実はたいして有効ではないことも紹介されており、 一般の相場書とは一線を画す、実践家による実践家のための本といえると思う。 一般に、投機で成功するための最大の条件として、ロスカットの徹底があげられるが、個人的には、有効な手法の開発こそが最優先課題であり、ロスカットは付随的なものとの考えが払拭できずにいた。 しかし、本書にふれることで、ロスカットの重要性を明確に自分として消化できたことは大きな収穫であった。 すなわち、5勝5敗の勝率しかない手法であっても、勝ちトレードごとに5%の利益、負けトレードごとに3%の損失であれば、10戦して10%の利益となるのであり、これを継続することで確実に利益を積み重ねることができる。 このスキームで最も重要なポイントは、負けトレードを引きずることなく、平均損失を5%に維持することである。 それが長期的な利益の増殖を保証することになる。 これすなわち、リスク・コントロールということであろう。 テクニカル分析に基づくデイ・トレーディングを実践する者として、手法についてのアイデアを本書から直接得る部分は少なかったが、リスクに関する基本的な部分での考え方を明確にできたことは、大きな収穫であった。今後自分のスタイルを確立するうえで、おおいに参考になると思う。
補足ながら、いささか直訳的な部分が多く読みにくい面があるので、今後の改善に期待したい。 商品説明ページへ お買い物かごに入れる
Copyright(C) Traders Shop All Rights Reserved.
|