世界最強の金融機関、米国投資銀行の、実際には、なんともトホホな内幕が、
インサイダーならではの証言でつづられております。証券ビジネスの内幕、顧
客の引っ掛け方、社内の人間関係、学生のリクルートの真実などなど、いや
あ、読めば読むほどとんでもない職場だと強烈な印象を与えます。
あまりにも強烈なエピソードが満載されているので、これは、小説だろう、と
思われるかもしれません。
し・か・し、欧米の金融機関にいた私の経験からいえば、このケッサク本の中
の登場人物は、みな実在である!と断言いたします。私の周りの元投資銀行員
の連中もみな、涙(笑いの涙・悔悟の涙)なしには読めない、と証言していま
す。
いたるところで「あー、これは"あの人"のようなヤツのことだ」とか、「こ
れって本当によくあるよなあ」と、シミジミと思うと同時に、電車の中で読ん
でいてあまりのおかしさに噴き出しそうになり、こらえるのに苦労しました。
最近は、外資系金融機関志望の学生が多いとのことですが、外銀・外証就職志
望者の必読書。このアメリカの投資銀行の強烈な毒に当てられた方には、毒消
しまたは口直しとして、藤巻健史『外資の常識』(日経BP社)を読まれること
をお勧めします。それを読めば、ああ、外資ってとても楽しそうなところ、と
憧れが復活するでしょうが、両方とも外資の真実であるのです。人生をどのよ
うな会社に張るか?自己責任ですぞ。
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