やや古い話ではあるが、この本が出版されたのは1992年。
当時、バブル崩壊で内需大型株や外貨建てワラント、新発CBといったバブル期の花形商品は
散々な有り様であった。
当時の私はといえば、旧山一証券で、今で言うところの債券テクニカル・アナリスト(当時はアナリストとか、職種で呼ぶことは一般的でなかった)をやっていた。
長風呂が好きだった私は、自宅の風呂に入りながらこの本を毎日熟読していた。
特に「第一章 先物と通貨」が好きで、ウィットに富んだエド・スィコータと、リスクに厳格なラリー・ハイトの言葉は完全に暗記していたほどだ。「皆自分の欲しいものを相場から手に入れる」(エド・スィコータ)、「市場は効率的だと言っている人たちはみんな貧乏」(ラリー・ハイト)とか。
この本との出合いが、その後の私のマーケットとの接し方を方向付け
たと言っても過言でないと思う。時代とともに相場のパターンは変化していくだ
ろうが、トレーダーとして備えるべきポイントには共通のものがあるだろう。