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この本には、個別銘柄の選び方、市場タイミングの取り方、
ポ−トフォリオ戦略の変更の仕方、という具体的なことは書かれていない。
そういゆうことを期待した人はがっかりするかもしれないが
実はそうゆう本ほど良書が多いのも事実である。
敗者のゲ−ムとは、
近代の高度化した、プロが運用でしのぎを削る市場で勝つのがいかに難しいかをいう。
1960年代の市場は個人投資家のためにあったが、
現代の市場は自分が解決しようとしている複雑な問題について、
同じ様に努力している多くの競争相手が出てきたことにより
証券運用は勝者のゲ−ムから敗者のゲ−ムになった。
優秀なファンドマネジャ−でもインデックスファンドを
長期に渡り上回る成績を残せていない厳しい現実がそこにはある、
そのような市場でいかに個人投資家はあるべきかというのが本書のテ−マである。
特に15章での【個人投資家のための10戎】と【親切な助言10か条】は必読。
個人投資家向けの良いアドバイスが載っている。
いくつかあげると、例えば投機的判断でうごいてはいけない。
もしあなたが衝動に駆られて売買するなら
投資額をラスベガスでプロとギヤンブルする程度の金額におさえた方が良いとか、
証券会社の担当者に気をつけろ、彼らの仕事はあなたを儲けさせるのではなく、
あなたから儲けることだ、など。
本書はある程度投資経験のある人や、現在資産運用がうまくいっていない人は
ぜひ一度は読むべきウォ−ル街の名著である。
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