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前作『東大院生が考えたスマートフォンFX』は読んでいないため、比較はできません。
プロローグによると、「時間帯による値動きのクセ」と「オープンオーダー」を使って稼いでいたようです。奇しくも、前職でFXのシステムを構築していたとき、注目していたのが時間帯別のクセ、バイアスでした。ここ数年、値幅が狭くなり、本書、115頁に記載されているドル円の年間変化率と値幅が示しているとおり、年間値幅が10円を割った年は多くなっています。これまで言われていたトレンド重視のトレードスタイルが見直されてきています。しかし、著者が指摘するように、ボラティリティーの上昇時にトレンド、スイングをとらえることがより重要になっています。このとき、大きく損失を被ると取り戻すのがとても困難な状況化におかれているからです。
本書で目をひくのはプライスをもとにしたテクニカル分析よりもCOTレポート、VIX指数といったプライスとは異なるデータを使った分析です。テクニカル分析ではトレンドの発生とその強さを事前に知ることはできません。その点、ファンダメンタルズはその市場を取り巻く環境の変化を明確に示しています。VIX指数とCOTレポートの活用法を示した書籍は海外に多くあり、いくつか、翻訳発行されています。「優位性のある場面でトレードを仕掛けること」は運用に限らず、他の場面でも同じです。多くの有能な経営者はコストと利益といったツインで物事を考えています。トレーダーの場合、リスクとリターンの組合せです。
何気に手にした本がここまで素晴らしい内容であったことに感動を覚えました。また、テクニカル重視のトレーダーが是非、読むべき本。多くのトレーダーが求めている答えはこの本に書かれています。
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