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不動産投資の教科書

大村政勲 定村吉高 明日香出版社

「不動産投資の教科書」には、「不動産投資をやるなら、これだけは知っておきなさい」という副題がついています。まさにこの副題の通り、投資に当たって最低限度知っておかなければならない用語や投資指標、物件選択のポイントが紹介されています。

本書は1ページあたりの文字の量も少なく、資料も豊富です。難解な専門用語も少ないので、すらすらと読めるでしょう。不動産投資の用語は難しく感じる人も多いでしょうが、FCRやCCRなどの重要な投資指標は、その用法が詳しく紹介されています。極めてあやふやだったので非常に勉強になりました。

本書を読む上でしっかり認識しないといけないのは、本書を読む多くの人、即ち自分がドシロウトということです。「不動産投資の教科書」という題名にあるように、しっかり勉強しないとこれからの不動産投資は、結果的に致命的な損失をもたらすよ、ということを教えてくれます。本書の至る所で勉強の必要性を説いていますが、表面的に月いくらかのキャッシュを生み出そうとも、最終的な総利回りの計算において水面下で損失を出している「割の合わない投資」は多いことがわかるでしょう。

とにかく、多くの人が不動産神話に浸っています。不動産を持っておけば何とかなるのではという考えは、本書を読めば一掃できるのではないかと思います。不動産神話を少なからず刷り込まれている人は、本書に目を通すことで損失は減らせられるかとおもいます。本書は不動産投資について、脱ドシロウトのヒントがいろいろ落ちています。個人的にはノンリコースローンを使った融資での投資シュミレーションは面白く読めました。

その他、巻末には不動産の歴史を概論的に紹介していたり代表的な投資実例が載っているので、「不動産投資そのもの」のイメージは膨らむのではないかと思います。題名の通り、不動産投資ってなんだろうという人に最適で、本書をベースに投資体験記を読んだり、勉強会等に参加していけば効率よく脱ドシロウトを果せられるでしょう。

(くらげ、20代、会社経営、「初心者投資」管理人)


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