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初版が1986年、改訂版も1994年に出されているという、わりと古い著作です。しかし、内容的には、現実の取引と理論とを兼ね備えた書であるといえるでしょう。
具体的な中身としては、オプションのボラティリティ、デルタ、ガンマなどといった理論的な説明や、スプレッド売買、裁定取引、オプションによるヘッジなどといった売買のやり方について、詳しく書いてあります。
特に印象に残った記述をいくつかあげてみますと、まずは、「市況によって、昨日は妥当に思えたポジションが今日はあまり妥当ではなくなることはよくある。新たな状況によって戦略を変えなければならない」です。これは、すべての取引にとって大事なことでしょう。状況によっていかに自分のポジションを有利に、また不利から逃れるように動かすかということは、とても大事なことだと思います。
次には、「オプションを取引するときには、数学的モデルは重要だが、それは、トレーダーの判断を助けるツールにすぎない。成功するためには、少なくともそれと同程度に技術が求められる。」やはり、経験をつんでそれを次の取引に生かすことが大事だということでしょう。
あとは、ボラティリティには、平均回帰特性がある(平均値を通過して上下する一貫した変動がある)や、ベテランは、トレードを重ねるほど理論的優位性が大きくなる流動性の低い市場でのトレードを好むところや、ベテランは、サイズのとても大きなトレードをするが、リスク分散はきっちりやっているといったところが、特に参考になりました。
オプション初心者の方は、この本の監修者である増田丞美氏の『オプション売買入門』や、『オプション売買の実践』のほうが、わかりやすく書かれているので、よりおすすめです。
(bblue 30代 会社員)
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