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「勝てない原因は、自分にある」
世の中にはたくさん、手法に言及する本や、儲かるトレード法などの類の本で溢れているが、本書はトレード以前の、基本的な土台を作るところから始まる。
この本には明確な手法の定義や、テクニカルの話は書かれていない。 精神の専門家が筆を取っただけあり、主にメンタル、心のコントロールの仕方に重きを置いている。
本書には、プロトレーダーになるためのあらゆるエッセンスが詰め込まれている。 まず自分の、個性を見極め、どんなトレードに適正があるのか考える事から始まる。 万人に通じるものはなく、自分に沿った、自分の強みを見つけ、それを強化し、トレードにどう生かすか。 トレードをある程度学んだ人でも、自分の土台をもう一度振り返り、確認するのに参考になる事柄が多い。 そして、プロとアマの違いをトップアスリートになぞって、その根本的な考え方、そしてトレーニング方法を明確に示している。
特殊部隊方式の訓練法で、動作タイミングを潜在意識に落とし込むやり方は、なるほどと思った。トレードする回数の多いスキャルピング〜デイトレーダーの方が参考になるかもしれない。 紹介されるトレーダーも様々なタイプがいて、参考になった。 特に八章の認知療法に出てくる、トレーダーが再生していくプロセスは、トレードする事に恐怖を覚える症状のある人には最適だろう。
トレード日誌のつけ方や、心の動きを探る認知日誌のつけ方、そしてトレード中のビデオを撮るなど、自己を振り返り、自分をメンターとしてステップアップしていくやり方が綴られ、具体的な学習方法を学ぶことができる。
手法を確立しているのに、収支が伸びない。
自分のトレード方法に自信を失くし、どうしたら良いのかわからない。
そして何より、手法が定まらず、どうトレードしたら良いのかすら、わからなくなっている、そんなトレーダーには必読の書と言っても良いだろう。
自己売買専門会社でトレーダー指導顧問として働く元精神科医 が執筆した本書では、トレードで飯を食っていくためには、ど のような心構えをしたらよいかということについて、実際にプ ロのトレーダーと接した事例を引き合いに出しながら、書いて あります。
トレードとはパフォーマンスを競うスポーツのようなものです 。生来の能力と個性を訓練と時間をかけてプロのレベルまで高 めていくプロセスですと書いてあります。要するに一朝一夕に はプロのレベルまでは達しないということです。
また、トレードでは、自分のエッジ(強み)を生かさなければ なりませんと書いてあります。自分の得意なマーケットや手法 は?また、自分の個性や能力にあったトレード対象は?などを 見つけていったほうがいいということです。
そして、長期にわたって成功してきたトレーダーは苦しい時間 をしのぎ、その戦略が当たったときに大きな利益を上げていま す。具体的には、自分のエッジがあまり生かせないときにはポ ジションサイズを小さくして小さな利益で我慢し、エッジが生 かせるときは積極的に利益を追求しますと書いてあります。こ の点は重要です。もちあいのときにブレイクアウトの戦略をと っても、ちゃぷつくだけです。自分の出番がくるまでじっと待 つことも必要だと思います。また、自分の出番がきたときに、 きっちりと利益をだせるだけの技術があることが求められます 。
そのほかに、トレードをする上での心の悩みを解決するための 、認知療法や行動療法についても書いてあります。この記述の 部分もかなり役立つのではないかと思います。
最後に、トップトレーダーやトップパフォーマーになることが 重要ではなく、自分の才能を表現し、みずからの真価を発揮で きる活躍の場を見つけることこそが大事ですとありましたが、 これはトレーダーに限らず他の職業であっても成り立つことで す。いわゆる天職というものにめぐりあえるということが、人 生を充実させていくことにおいて大事なことになるのではない のかと思います。
(bblue、30代、会社員)
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