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「アルゴリズムトレーディング入門」というタイトルと400ページを超える本の厚みからして相当読むのが大変だと覚悟していた。ところが読み始めてみると意外とサクサクと読める。難しい数式も登場せず、平易な言葉で説明されているので挫折することなくあっさりと最後まで読むことができた。
実は本書はこれまでにないスタンスで書かれたシステムトレードの本である。と思う。
従来のシステムトレードは
「時間が経っても変更の必要のないストラテジー戦略こそが優れたトレーディング戦略だ」
という考え方であった。一方でこの本は
「モデルや戦略は定期的に改良することでパフォーマンスは向上する」
という考え方に基づいて書かれている。つまりシステムには寿命があるということを前提にし、定期的にそれを最適化することで寿命を延ばそうとしているのだ。そして著者によるとこの考え方はシステムトレード界で近年主流になりつつある考え方であるという。
そのため、本書で力を入れて書かれているのはシステムの戦略をいかに構築するかということよりも、一旦作成したシステムをいかに相場状況にフィットするように「最適化」していくべきなのかということである。
「最適化」というと、反射的に思うのは「オーバーフィッティング」の恐れである。これまで、このような定期的な最適化についてはシステムのオーバーフィッティングにつながるため、最適化を行うということに関しては否定的な考え方の本が多かった。しかしこの本ではオーバーフィッティングの罠に陥ることなく、システムを最適化し運用していくにはどうすればいいかということについて詳しく記載されている。
また、他にも随所に堅牢なシステムを構築するために参考になるポイントや、システム性能を測るのに役立ちそうな新指標などが紹介されており、これまでのシステムトレード構築本では得られない実践的な知識を得ることができる。
実践的。この本の全体を通して言えるのは著者自身の豊富なシステム構築・運用経験という裏付けを通じての発言であるため、とても実践的な内容になっているということである。本書の内容を完全に理解し、忠実に実行するにはそれなりの熱意と時間とプログラミングスキルとが必要だろうが、そのさきに広がる可能性を考えると挑戦してみる価値はありそうである。
ゆうたろう(30代・主に株のトレーダー)
システムトレードに興味を持った方がまず初めに行うのは検索サイトで 「システムトレード」と検索することだろう。 そうして出てきたサイトを隅から隅まで見たところで 儲かる方法どころかそれを作るための方法すら出てはこない。
システムトレードに興味がある方は本書を読み、正しい検証方法を学び 拾ってきたアイデア、思いついたアイデアを徹底的に検証にかけていく べきである。
始めのうちは間違いばかり犯すだろうし多少の損もするであろう そういった苦労を数年続けていくうちに 検証しなくても、儲かりそうか、再現性がありそうか そういったものが見えてくるようになるのである。
本書は、システムトレーダーを志す方がよむべき最適な入門書である。
(ひろ 20代)
この本は、1991年に出版された『トレーディングシステムの開発と検証と最適 化』を、現在の相場環境に適応した形に増補改訂した本です。
投資対象は、特に限定されておらず、株、先物、為替等のシステムトレードについ て、その開発方法から、検証の仕方まで、詳細に記載されています。非情に密度の濃 い本だと感じました。ただ、専門用語が多く、投資初心者には、若干難しい内容となってお り、中級から上級者向けと考えられます。初心者は、基本書を2〜3冊読んだ後に、この本を 読むことをお勧めします。
この本を読んで感じたことは、システムトレードにおいては、「戦略を策定→具体化 →チェック→検証→最適化→分析→評価→改良」の一連の作業を、繰り返し、地道に 行っていくことが非常に大切であるということです。
これが、カリスマトレーダーではない自分に出来る、投資で利益を出していく最善の方法であると、再認識しました。
書籍紹介に「利益をずっと生み続けるシステムの作り方!自動売買を目指すトレー ダーの必携書!自動売買のバイブル!トレーディング戦略を正しく検証・最適化するには……」 と書かれていますが、決して誇大広告ではなく、非常に有用な一冊であると感じました。 是非、ご一読することをお勧めします。
(40代 主婦トレーダー)
『トレーディングシステムの開発と検証と最適化』が出版されて20年以上の年月が経っている。当時、システムトレーディングに関する書籍が少なく、システム構築をする際、あの一冊は参考になった。
あれから、パソコンの進化やネット環境の普及など、特に、個人投資家にとってトレーディング環境が格段と良くなった。しかし、システムを構築する過程は全く変わっていない。
そのプロセスとロジックの検証について解説している書籍は少ない。第3章、トレーディング戦略の開発プロセスでリストされている8ステップは、今もなお、その重要性は不変である。
是非、このステップに沿ったプロセスでトレーディングアイデアをシステム化してみてください。それが、システムトレーディングを知る近道でしょう。
(なりた・ひろゆき様)
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