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なんて素晴らしい本だろう。本書を読んですぐの感想です。
トレンドフォローと言えばタートルシステムが有名ですが、一般に広まっているタートルシステムのイメージは20期間チャネルブレイクと55期間チャネルブレイクです。
しかしトレンドフォローは仕掛け方については他のストラテジーでもパフォーマンスはさほど変わりません。
鍵となるのは市場の分散と相関分析で、もちろんタートルシステムも市場の分散を行いポジションサイジングしていたようですが、イメージよりもずっと複雑なシステムです。
今までトレンドフォローについての本はいくつもありました。
これらの本にはトレンドフォローの特性について簡単に紹介されていましたが、肝心な部分、分散、相関など詳しい理論と検証データをもって説明したものは皆無だったと思います。
例えばネタバレになってしまいますので詳しくは書けませんが、分散については、ある市場をポートフォリオに組み込み分散する事でパフォーマンスがアップするなど本書はタイトル通り具体的な理論をもって実践できる内容です。
ポートフォリオというのは長期投資の資産配分だけではなくシステムトレードのシステムについても同様です。
市場のダイバージェンス、クライシスアルファ、本書の目次だけでも興味を惹かれると思いますが、中身は人に教えるのをためらってしまうくらいの非常に有益なものばかりです。
トレンドフォローが最も利益率を上げる時期、ボラテリティの周期など本書から得られる有益な情報は書いたらキリがないくらいです。
私はこれから本書を手に検証を繰り返す予定です。
それにしても本書はトレンドフォローの本であって、トレンドフォローの本ではありません。
全ての金融市場の性質を分析した理論の本でもあり、長期投資家からシステムトレーダーにとって実戦的な知識が詰まっている素晴らしい書籍です。
ホワイトデー トレーダー
(投資歴: FX、先物15年)
本書はウォール街での経験も豊富なトレンドフォロー戦略の実践的研究者である二人の博士による共著だ。その内容は、トレンドフォロー戦略の歴史的検証や、様々なアセットクラス・相場環境における有効性の検証にあふれている。アカデミックな文体で精読には時間を要するが、客観的なデータや図を駆使しての説明であり、信頼のおける内容となっている。
本書最大の発見は、一見地味なこのトレンドフォロー戦略が大きなクライシスアルファ(相場が危機的な状況下における優位性)を持っているということだ。リーマンショックから10年以上が経過し、次の危機が想定される現在だからこそ、ポートフォリオを強化する意味で、投資家はトレンドフォロー戦略に特化したファンドの導入を検討すべきではないかと感じた。
欧米とは違い、本書で紹介されているようなトレンドフォロー戦略を用いたヘッジファンド投資が、未だ一般的な運用手段の一つとして確立されてない本邦だからこそ、今、本書を手にする価値は高いと思う。
ユーノ
(相場歴: FX等8年)
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