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同じ著者の前作『矢口新の相場力アップドリル 為替編』は、なかなか面白く読ませてもらった。それに続くのが本書であるが、趣旨は前作と同様である。
著者は株価についても、為替と同様に「トレンドは実需によって、ボラティリティは投機によってつくられる」とコメントしているが、わかりやすく、また、納得できる説明だと感じられる。但し、前作を読んでいたこともあって、その内容について新鮮さは感じなかったが。
説明編に続くドリル編では54問の問いと解答が記載されている。内容は常識的なものから、「こうした事も材料となるのだな」と学ばされることまで多様である。
但し、この問いに対する解答を全部覚えたところで、それが直接自分自身の売買に役立つとはあまり思えない。 なぜなら、相場で求められるのは、単なる「暗記」の力(こうしたらこうなるという単純な考え方)ではなく、そうした個々の要素をどう組み合わせて自分なりの発想やシナリオ、あるいは目標や方法を組み立てるかという点にあるように思われるからである。本書で示された問いと解答はそのための「素材」となる可能性はあるとは思うが。
本書は、著者が前書きの最後で述べている「徹底的に考え抜いて、相場を理解する」ための一助となるものであり、そのための素材を提供しているものとも言える。
あとは、私たち自身が投資対象としている個別の商品(日本株の個別銘柄であったり、オプションであったり、ETFであったり)についての理解を深め(商品が違えばアプローチの方法も当然異なるであろうから)、自分なりの戦略、シナリオと強い気持ちを持って、売買にのぞめばよい。
とはいっても、まあ、なかなかそううまくはいかないのだが・・・・。しかし、素人考えであっても、誰かの言葉に踊らされたりするよりは、自分で考え判断した方が実力アップにはつながるはずである。
(ふしみん 40代 公務員)
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