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行動分析学入門

リチャード・W・マロット/マリア・E・マロット/杉山尚子/島宗理/佐藤方哉 産業図書

トレ−ドするためには何が必要か。
エントリ−するためのシグナル、利喰いするためのシグナル、それを可能ならしめるテクニカル分析、損切りするためのシグナル。トレ−ドという行動を起こすとき、何らかのシグナルを受けて、それを認識して行動に至るのであるが、シグナル通りに人間は動かないことがよくある。特に、金という欲が絡むときはそうである。 ひょっとすると、こうすればもっと大きく利食えるかもしれない。もしかしたら、助かるかもしれない。 などと考えてしまうのである。そこで認識と行動はずれを生じる。だから、システムトレ−ドがいいとは私は思わない。裁量型トレ−ドの方が成績がいい場合が多い。これは自分自身の体験からきている。そもそも相場という測定不可能なものを対象にす るとき、決まりきった手法で対処するという方法にこそ無理がある。 経験と現場で培われた勘こそ、重要視するべきものなのだ。だが、経験や勘は適切に機能するのだろうか。

トレ−ドでは、自分の最大の見方は自分であるが、最大の敵であるのも自分なのだ。 自分が自分を裏切ることはトレ−ドを経験したことのある人なら、だれしも身に覚えがあるだろう。では、自分の行動を自分でコントロ−ルするためには、どうしたらいいか。そのノウハウがこの「行動分析学入門」にはつまっている。 自分の克服すべき問題点を列挙してみよう。相場を見ていると、よく考えることなく建て玉してしまう。 損切りが遅い。調子に乗って、建て玉を増やしてしまう。頻繁にトレ−ドしすぎる。 欲張って利喰いを躊躇してしまう。などなど。人は何もない冷静な時は、こういうときはこのように行動するという客観性があるが、相場という鉄火場では、冷静さは片隅に追いやられてしまう。普段から冷静さを失う鉄火場で適切な行動を取れるように 意識しておくことが必要なのだ。そのために本書にかかれているトレ−ニング方法が重要なヒントになる。例えば、好子(こうし)と嫌子(けんし)を使って、強化と弱化を図るのだ。本書は心理学の本であるが、題名からわかるように、行動のための本 である。行動を一つ一つ分析しながら、自己コントロ−ルを可能ならしめることができるようになるだろう。もっとも、私は、現在も特訓中ですが。

40代 男 会社員 先物バカ一代

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