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本書は投資やマーケットと関わるこれまでの様々な研究成果について、その内容を多様な視点からコンパクトなフレーズにまとめた構成となっている。全体として体系だった構成になっているわけではないので、どこからでも、自分の興味のあるところから読み始めることができる。
個々の内容については、その結論だけを見ればどこかで既に聞いたこと、読んだことがあるような内容が多い印象があり、また、文体も、研究内容の簡潔な紹介といった雰囲気で、やや堅さが感じられる。が、よくある「大儲け」「爆騰」系の「とんでも」本ではなく、いたって真面目な中味となっている。
第1部 投資の哲学
第2部 投資の心理学
第3部 イノベーションと競争戦略
第4部 科学と複雑系理論
の構成となっているが、私自身は確率、期待値、意思決定などについての内容が非常に興味深かった。また、タッパーウェアの販売方法と投資における留意点の類似性についての指摘も面白く感じた。
本書のすべての内容について深く理解する必要性も意味もないと思うが、自分自身の投資と関わる行動を考えながら本書を読みすすめていくことは興味深い作業であり、またためになるところがかならずいくつかはあると思う、中には耳の痛い指摘もあると思うが、それが本書のよい点でもあろう。 逆に言うと、本書の中で特に興味を持った分野、内容があれば、それについてより深く考えてみる、類書にもあたりながら自分自身の理解を深めるといった利用法もよいと思う。
(ふしみん 40代 公務員)
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