投資家と市場ポートフォリオと価格はなぜ決まるのか

資本資産価格モデル（ＣＡＰＭ）を導出したノーベル経済学賞の受賞者ウィリアム・Ｆ・シャープ本人の書籍です。著者の名前だけで読みたくなる書籍です。読んでいると感じるのですが、この著者は非常に丁寧な解説をしていく人物です。

この本は事例によって理論を展開して説明してくれてますが、最初はかえってそれが分かりにくい箇所も出てきます。

しかし、その事例ひとつひとつにエクセルなどのシミュレーターを用いて解説をしており、読み手が理解をするようにと考えているのがよく分かります。

本書で紹介されている著者のwebページでダウンロードができます。ノーベル賞をとった経済学者が作成したシミュレーターを使用できるだけでも感激しました。

個人的にこの本の真骨頂は最終章である第８章の「アドバイス」の章です。この第８章のアドバイスには最高の知恵が盛りだくさんです。

シャープがＣＡＰＭを導出し、そのＣＡＰＭをさらに発展させシャープと同じくノーベル賞をとったユージン・ファーマの3ファクターモデルを本書にてシャープが紹介しながら理論を拡張、展開していくところには、勉強を忘れて熱い気持ちになってしまいます。

やはり本物が書いた本は本物。古くても新しさを感じさせてくれる貴重な書籍でした。

ホワイトデートレーダー
（投資歴：FX、先物15年）

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